30年前から紀の川市桃山町善田地区で食べられている「善田焼き」を広めようと6月22日、地元住民が研究会を発足させた。卵を産まなくなったひねどりの肉をしょう油ベースのたれに漬け込み、手作りのコンロで焼いたもので、リーダーの今城崇光さんは「あっさり味で飽きがこず、老若男女問わず好まれる。地域で受け継がれたB級グルメを広めたい」と力を込める。
盆や正月など、親戚が集まる時に食べられる善田焼き。30年前、地元の青年団が盆踊りの風習を復活させた時に振る舞ったのをきっかけに、各家庭に広がった。
しょう油と水に、塩、こしょう、ニンニク、一味などを加え、食べやすい大きさに切ったひねどりの肉を漬け置く。善田地区では自宅にドラム缶や、プロパンガスのボンベを利用した釜を持つ家庭が多く、庭で豪快に焼くのが習わしで、ひねどりのコリコリした食感としょう油の香ばしさが食欲をそそる。今城さんは「昔は家で飼っていた鶏をさばいた。人が集まる中心には善田焼きがあります」と話す。
研究会には、地元住民のほか、アウトドア愛好家ら14人が集まり、作り方や歴史を学び、調味料の配合や付け合わせについて意見交換する。参加した市職員の山本真緒さんは「バーベキューの季節に、地域のものを取り入れて盛り上がりたい。市の新しい名物になれば」と笑顔を見せる。
同研究会(0736・77・2511、同市秘書広報課内)。
写真=手作りのコンロでダイナミックに焼く今城さん(右)
(ニュース和歌山/2019年7月13日更新)