国際連合が採択した、世界が2030年までに目指すべき17の目標SDGs(エス・ディー・ジーズ、持続可能な開発目標)。このSDGsを掲げた取り組みが和歌山でも目立ち始めた。今夏に和歌山市が国の「SDGs未来都市」に選ばれたのを始め、様々な団体が理解を深める企画を開催。「官民そして個人が課題に向け、つながるきっかけになる」との声が出ている。

SDGs理解促進に動き〜ゲーム通じた普及も

 SDGsは、15年9月の国連で採択された「サスティナブル・ディベロップメント・ゴールズ」の略。加盟国193ヵ国が30年までに目指す目標と行動計画で、「途上国から先進国まで全世界、全地域共通の目標」「だれ一人取り残さない」を理念に産学官民、市民を主役とし行動を求める。

 目標は「①貧困をなくそう」「⑧働きがいも経済成長も」「⑬気候変動に具体的な対策を」など17分野に及び、各目標にターゲットと呼ぶ169の具体的な項目を設ける。ただ気候変動が雇用減や貧困につながるため、相互関連を重視する。

 政府も推進本部を立ち上げ、SDGs普及を図る。昨年から優れた試みをする自治体を選定。7月には和歌山市が全国60の「SDGs未来都市」に選ばれた。

 同市が掲げたのは「持続可能な海社会を実現するリノベーション先進都市」。「歩いて暮らせるまち」を複数つくるコンパクトシティ化とネットワーク化、東京大学が研究室を設け、進み始めた加太地区の再生と海づくりを軸に、全体で「今あるものを生かし、価値を高める」(リノベーション)を進める形で事業を展開する。SDGsの「⑪住み続けられるまちづくりを」「⑭海の豊かさを守ろう」を重点に置く。

 同市企画課は「目標を示すと、行政の枠を越え、同じ課題に取り組む人たちとマッチングが進みやすい。うまく活用し、市のいい所を伸ばす原動力にしたい」と望む。

 理解を深める催しも目立つ。JAの組織で50歳以下の女性でつくる「JAフレッシュミズ部会」の近畿地区研修会が9月に同市で開かれ、約50人がSDGsの目標を関西弁でカルタにした。

 「ひやこすぎエアコン温度下げすぎちゃう」など文と絵を作り、どの目標にあたるかを考えた。県JA女性組織連絡会フレッシュミズ部会の大道浩実部会長は「聞いたことのない人もいたけど、食品ロス削減とか普段していることでも持続可能な世界への一歩になることがよく分かりました」。

 10月5日にはJR和歌山駅わかちか広場で、県地球温暖化防止活動推進センターが「カードゲーム『SDGs de 地方創生』」を開催。あと12年と期限を設け、参加者30人が行政や住民の役に分かれ、地域づくりを疑似体験した。

 このゲームの公認ファシリテーター、赤岡誠さんは「ゲームの後、『レジ袋やめました』『お隣さんに声をかけた』とできることを前向きに行う人が現れます。課題はつながり、一緒に何かしていこうというのがSDGsの本質。地方創生にあてはめても新しい動きができます」と語る。

 主催した同センターの臼井達也さんは「社会が複雑になる中、課題を整理し、やるべきこと、手をつなぐところが分かり、解決の糸口が見えるのがSDGsの画期的な点。活動の種をつくれます」と期待している。

写真=地域づくりを疑似体験するSDGsのカードゲーム

(ニュース和歌山/2019年10月12日更新)