慶大・美山名誉教授 小学生に授業

 日本で西洋音楽の振興に尽力した紀州徳川家16代当主、徳川頼貞が残した資料が和歌山市西高松の県立図書館内、南葵音楽文庫に並んでいる。和歌山に貴重な資料があることを子どもたちに知ってもらおうと、慶応義塾大学名誉教授で、同文庫研究員の美山良夫さんが1月30日、雑賀崎小学校5年生に授業を行った。

 同文庫の歴史や、頼貞がどのように西洋音楽を日本に広めたかを紹介。また、頼貞のサインが書かれた本を探すゲームを行い、児童は楽しみながら、貴重な資料に触れた。途中、中井栞菜さんが見つけたサインがベートーヴェンのものと分かると歓声が。中井さんは「伝記でしか知らないベートーヴェンが書いたものに触れるなんて思ってなかった」と声を弾ませた。

 美山さんはこの取り組みを続ける予定で、「ここは宝の山、日本ではここにしかないものばかり。今後も子どもたちにこの貴重なコレクションを実際に手にとってもらいたい」と話していた。

写真=頼貞のサインについて話す美山名誉教授(中央)

(ニュース和歌山/2020年2月15日更新)