和歌山弁落語 ネット配信

 和歌山市の落語家、桂枝曾丸さん(写真)が十八番にする和歌山弁落語のインターネットを通じた配信が3月6日に始まった。和歌山のおばちゃんにふんし、和歌山の暮らしを扱った創作落語がポニーキャニオンの目にとまった。枝曾丸さんは「和歌山弁はあまり知られていないゆえ、新鮮でかわいく聞こえるそう。和歌山弁と和歌山の魅力が世界に伝われば」と望む。

 和歌山弁落語が生まれたのは20年前。和歌山に拠点を置いて活動し始めた枝曾丸さんが高座で和歌山弁を口にすると受けたため、そこから構想を始めた。古典とは一味違う形にと、作品は漫画家のマエオカテツヤさんが練り、「ぶらくり丁へいってくら!」を第一弾として世に送り届けた。

 昭和から平成と和歌山のまちの変化を追った内容は、人気を集め、2002年には和歌山から移民の多いアルゼンチンでの公演を実現。CD化は第5集に及んだ。配信はこれらCDに収められている全15作品で、CD単位(1050円)と一話(400円)ごとにダウンロードできる。

 病気の後、笑わなくなっていたのに故郷の和歌山弁落語で再び笑いを取り戻した大阪に住む高齢者、また枝曾丸さんの落語会にあわせて墓参りに帰郷する人らもおり、「方言の持つ力を感じる」と枝曾丸さん。和歌山の人以外には分からないのではと思っていたが、「〝ちゃーる〟とか語尾がかわいくて、大阪弁と違うリズム感の面白さは県外の人にも伝わるそう。ずっと冗談で、『あでー!』を世界共通語にと言っていましたが、その日が近づきました(笑)」と話している。

 URLは(https://lnk.to/shisomaru_katsura)。

(ニュース和歌山/2020年3月21日更新)