農業をしながら子どもたちの教育に力を入れる紀の川市西脇のひかりはじめさんが6日、地球温暖化をテーマにした絵本『りんごのぷらりん』を出版した。

 柿やかんきつ類を栽培する傍ら、元教師の経歴を生かし、子どもたちに自習スペースを開設するひかりさん。北海道大学大学院時代、発電施設付近の海水温がわずかに高くなっている影響で、本来その場に生息しない海藻に気づいた。これをきっかけに地球温暖化について調べ始め、自分の考えを発信しようと3年前に絵本の執筆を始めた。

 主人公はりんごのぷらりん。たくさんの生き物と暮らしていたが、ある日、地震による津波に巻き込まれ、仲間がいなくなり、一人ぼっちに。泣き続けるうちに種になってしまったぷらりんは、人の手により生まれ変わり──。

 ぷらりんを地球に見立て、元気をなくして小さくなっていく姿を、環境破壊にリンクさせた。「子どもには難しいかもしれないけど、大人になった時、自分なりに環境問題に気づき、解釈してもらえたら」と願っている。

 B5判、24㌻。888円。アラオ岩出店と打田店で販売。

写真=「絵本は初めて描きました」とひかりさん

(ニュース和歌山/2020年3月28日更新)