和歌山商工会議所青年部 BUY LOCAL運動提案

 地域を守る消費活動を促す「BUY LOCAL(バイ・ローカル)」を掲げる動きが和歌山市で活発だ。市外に本社のあるショッピングセンターやインターネットショップではなく、地元店を利用し、地域経済に好循環を生む買い物を勧めるもので、和歌山商工会議所青年部は3月16日、和歌山市に提言した。また、中心市街地で飲食店を営む経営者は「BUY LOCAL EAT LOCAL」を掲げ連携。店を直撃するコロナ危機の克服を目指す。

 世界各地で進む地域経済活性化の運動で、売り上げが本社に流れるチェーン店やネットでなく、地元の店で売買し、経済を地域で循環させ、事業者育成と地域の魅力アップにつなげる。国内では富山県氷見市が月1000円の地元消費を促し、年間6億円の経済効果を狙っている。

 和歌山商工会議所青年部の会員のための提言委員会は2年前、和歌山市での「BUY LOCAL」展開の検討を始め、現状を分析。2013年の調査によると、鉄鋼・化学など年間生産販売額は約1・6兆円で、住民1人あたりの平均生産性は937万円と全国平均809万円を上回る。しかし、原料など地域内で調達する割合が低いため市外へ所得が流れ、一人当たりの平均所得は360万円と全国平均を16万円下回る。

 提言は「シフト20億円! BUY LOCALで地域内経済循環を活性化しよう」と題し、市民が毎月500円を地元消費へ切り替えることを訴える。人口36万人が月1回500円のランチを地元飲食店ですると、年間20億円を超える消費を地元に生み出せる。

 「〝早い〟〝安い〟と違った地域を守るお金の使い方です」と提言委員会の有井安仁委員長。「お金がめぐると事業者が成長し、町は面白くなり、訪れる人が増える。いい循環が生まれます。地元の店を応援する文化をつくりたい」と熱弁する。

 今後は商工会議所に所属する3400事業所に呼びかけ運動を展開。ステッカーなどを作り、市と連携し、市民への普及を図っていく。

写真=和歌山市役所で尾花正啓市長らに説明する有井安仁委員長(右)

 

コロナ克服へ飲食店主連携 ポスター大作戦準備中

 和歌山市の中心部に店を構える飲食店経営者は「街中ポスター大作戦」を準備中。約50店舗が連携し、「地元で地元のものを食べよう」「地元を愛そう」と地域内で経済循環を呼びかけるロゴを製作した。

 4月中旬にはポスターの掲示を開始し、地元に呼びかけていく。中心になる奥畑公康さんは「歓送迎会があり、飲食店が忙しい春にコロナが直撃し、危機的な状況です」。

 政府が検討している現金給付が始まる時期までにポスターを広げる考えで、「和歌山のすべての事業者が一体となれば、大きな発信になる。地元の大切さを共に持ち、苦難に耐えうる和歌山にしたい」と熱を込める。

(ニュース和歌山/2020年4月4日更新)