和歌山県立医科大学 山本准教授ら アプリ開発

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、和歌山県立医科大学の山本景一准教授(写真)が京都大学の研究者らと共同開発したアプリ「健康日記」が、感染の疑いがある人の健康観察に一役買っている。要観察者が健康情報をメールで送ると、そのデータが保健所で一括管理できるようになっており、保健所の業務負担減につながっている。山本准教授は「保健所はじめ、感染の不安を抱えた人や現場の人たちの助けになればと、経過観察の必要に合わせてデータを集計できるよう急きょ仕組みを作りました」と話す。

 和医大情報基盤センター副センター長を務める山本准教授らが開発したこの健康フォローアップアプリ。個人が紙で管理している健康診断の結果やお薬手帳といった健康にかかわる情報を、スマートフォンやタブレット端末で管理できる。歩数や体重、血圧といった日々の情報も入力できるようになっており、個人が生活習慣を改善し、健康寿命を引き上げる一助にと、昨年7月に無料配信を始めた。

 新型ウイルスの広がりを受け、2月末、新たな機能を加えた。まず、国のガイドラインに沿って、体温、せきや息苦しさ、鼻水、下痢などの症状、薬の服用やPCR検査の結果を入力するページを追加した。

 さらに保健所が要観察者の健康観察に使えるよう、データ集計分析システムを作った。要観察者が健康情報をメール送信すると、保健所でデータを管理できる。毎日、電話で一人ひとりの健康を確認していた保健所の負担削減につながると、和歌山市はじめ、全国の保健所のほか、学校、企業が導入している。

 医療機関や大学で臨床データの管理、分析に携わってきた山本准教授。「感染症が治った後も使い、日々の生活改善に役立ててほしい。自分たちで日本を健康にしていきましょう」と呼びかける。

 詳細はヘルステック研究所HP

写真=「平常時から自分の健康をチェックすることで、異常があった時に対応できます」と山本准教授

(ニュース和歌山/2020年4月18日更新)