智辯小 4月から導入

 新型コロナウイルスによる臨時休校を受け、注目を集めるオンライン授業。公立小学校に先駆け、和歌山市冬野の智辯学園和歌山小学校は4月から取り入れている。

 「マイ・カントリー・イズ・フェイマス・フォー・ラグビー」。カメラの前に立つのは英語担当のシューエン・ギャリー教諭。手作りの教材を使い、英語で出身地のニュージーランドについて紹介した。

 同校では各教科、週に2回程度、教員が撮影し編集した10〜15分の動画を投稿。児童は自宅でこれを見て学習する。出された課題をオンライン上に提出すれば、児童同士も見られるようになっており、こどもの日には図工の課題として、紙で作ったかぶとや、鯉のぼりなどを写真に撮って見せあった。

 5年の栄田伊吹くんは「スマホかパソコンで授業を見ています。ずっと友達に会えていないので、みんなのコメントを見るだけでもうれしい」、大西里音さんは「授業を聞いて分からないところがあると、何度も見返せるのがありがたい。あとはみんなの顔を見て話せたら」と寂しそう。

 動画は子どもがあきないよう、クイズや手遊びを取り入れるなど工夫している。5年の学年主任、藤崎健太郎教諭は「収束しても有効活用できるよう、考えていきたい」。渡瀬金次郎校長は「授業はオンラインで行えるが、1年生にはあいさつを動画で配信しただけ。早く顔を見たい気持ちでいっぱい」と話している。

 公立については、本紙配布地域の和歌山市、海南市、岩出市、紀の川市とも、全児童・生徒に1人1台のタブレット端末を整備する文部科学省の「GIGAスクール構想」を前倒しするとしているが、5月19日現在、具体的な日程は決まっていない。一方、紀美野町は小5~中3にタブレット端末をすでに配布しており、オンラインで授業を実施している学校もある。小1~4は今年度中に配る予定。

写真=表情豊かに、身振り手振りを交えて動画を撮影

(ニュース和歌山/2020年5月23日更新)