歴史ある書店の閉店が全国的に相次ぐ中、店主のこだわりや世界観を武器にする独立系書店が注目されている。紀美野町の会社員、助野彰昭さんは7月3日㊎、海南市船尾の田島漆工場跡2階に「OLD FACTORY BOOKS」を開く。「自分が影響を受けたものを届けます。お気に入りの1冊と毎月出合えるような本屋にしたい」と張り切っている。

助野彰昭さん 漆工場跡活用

 大学時代、サブカルチャーを発信する本や雑貨のセレクトショップに入り浸っていた。アメリカをバスで横断した2ヵ月間や、妻と60ヵ国を回った2年間で、多様な文化や価値観に触れ、自分が好きと感じた世界を伝えられる書店を開きたいと考えていた。

 昨年春、訪れた漆工場跡の雰囲気を気に入り、開業を決めた。1階にあるカフェの一画で1年ほど本を委託販売したところ、少しずつ購入者が増えていった。

 昭和初期から残るレンガ製の壁に囲まれた空間に、年代もののショーケースや手作りした棚を設置。1960年代のアメリカ文化に関連した本のほか、アートや旅本をメーンに、料理本、絵本などが並ぶ。「平易な本や写真集、旅本などビジュアル本が中心なので、普段本を読まない人の導入にぴったり。多様な価値観に触れてもらい、読んだ人のこれから生きていく世界が広がれば」と笑みをこぼす。

 営業は㊎が午前10時~午後3時、㊏が午後7時半〜深夜0時。このほかイベント開催時も。詳細はツイッター「TERUAKI SUKENO」。

(ニュース和歌山/2020年6月27日更新)