和歌山県と那賀木材協が貸し出し

 「いいにおい」「さわると気持ちいい」──。紀州材で作られたつみ木を手に、思い思いに遊ぶ子どもたち。岩出市西国分の認可外保育園CoCoともいくえんに10月28日、コンテナいっぱいのつみ木500ピースが届けられた。那賀振興局と那賀木材協同組合によるプロジェクトで、岩出市と紀の川市の幼稚園、保育園などに1ヵ月間貸し出している。

 8年前、紀の川市鞆渕の榎本林業、榎本大志郎代表が「気軽に木のおもちゃを使ってもらいたい」と端材をつみ木に加工し保育園やイベント主催者に無償で貸し出しを始めたのがきっかけ。木の感触や香りが楽しめると好評で、これを知った那賀振興局が昨年、地元の林業や木材産業の振興につなげたいとプロジェクト化した。

 この日はまず、那賀振興局林務課の片畑万季さんが「木は家の柱やおもちゃになる身近な存在。木を大切にしてください」と説明。園児たちは歓声をあげ、ドミノや家を作ったり、肉に見立ててままごとをしたりと楽しんでいた。加藤美樹子園長は「子どもたちは木が大好き。つみ木で遊ぶことで自然の中にいるのと同じ感覚を室内で体験できるのが良いですね」とにっこり。

 同組合の理事長を務める榎本さんは「最近は木の香りを感じる機会が減っている。つみ木を通して、小さいころから木や山に興味を持ってもらえれば」と願っている。

写真=端材で作られたつみ木で遊ぶ子どもたち

(ニュース和歌山/2020年11月7日更新)