智辯和歌山で直接指導

 大リーグのシアトルマリナーズやニューヨークヤンキースなどで活躍したイチローさんが12月2~4日の3日間、和歌山市冬野の智辯和歌山高校を訪れ、野球部員たちを指導した。キャッチボールの相手を務めた徳丸天晴(てんせい)選手(2年)は「オーラがあり、ただ、『すごい』のひと言。イチローさんが発した言葉一つひとつが心に残り、重みがありました」と喜んでいた。

 同校の藤田清司理事長と以前から親交があるイチローさん。昨年末には同校教職員チームと草野球を楽しんでいる。

 そんな縁から実現した今回の指導。最終日はイチローさんの「2日間、気を張っていたと思うけど、リラックスしてやりましょう」との言葉で練習が始まった。ウォーミングアップから選手たちと同じメニューをこなし、ダッシュ走で勝った際には両手を上げて喜ぶ場面も。打撃練習ではライト方向のネットを越える鋭い打球を何度も披露し、その度に選手から「えぐい」との声が上がっていた。

 10月のドラフト会議で北海道日本ハムファイターズから4位指名を受けた細川凌平選手(3年)はイチローさんにもらったバットで打撃練習に汗を流し、「今までのバットで一番、感触が良かったです」。選手たちが積極的に質問する場面も度々見られ、中谷仁監督は「プロでもイチローさんに聞いてみたい選手がいっぱいいる中で、うちのグラウンドに来ていただいたのは夢のよう。この指導を生かしていかないといけないとの心地良い重圧がかかっています」と笑顔を見せていた。

写真=選手に打撃を披露し、笑顔を見せるイチローさん(代表撮影)

(ニュース和歌山/2020年12月12日更新)