春の選抜高校野球大会が3月21日(土)に開幕します。県内からは21世紀枠で和歌山市吹上の桐蔭高校が出場。前身の和歌山中学時代を含め春夏計3度の全国優勝を誇る伝統校です。53年ぶり16度目の選抜を控え、石井佑典主将と橋中基岐副主将に話を聞くと共に、今の気持ちを全19選手に漢字1文字で表現してもらいました。
まず1勝を
──1月23日、吉報が届きました。
石井 率直にうれしかったです。「まず1勝しないといけないな」と身が引き締まりました。
橋中 自分は「甲子園で絶対に打ってやろう」との気持ちがわいてきました。ライト方向への右打ちが持ち味です。
──出場決定後、チームの雰囲気は。
石井 決まった瞬間から大会まで残り2ヵ月、ここからもっと集中して練習に取り組んでいこうと思いましたし、その意識はみんな同じだと思います。
橋中 自分はまだまだ集中が足りていないと感じています。ノックにしても1球1球大事にする気持ちで取り組んでいきたい。
売りは打線
──おふたりから見た今年のチームの特徴は。
橋中 武器はバッティングです。下位打線がしっかり出塁した時は上位までつながり、切れ目のない打線になります。
石井 良い雰囲気に乗っていける選手が多いんです。攻撃のパターンとしては1番の鶴我がしっかり出塁し、クリーンナップで返すのが得点の形。昨年秋は9番の梅本も調子が良かったので、そこから上位に回って点を取る場面が多かったですね。秋から時間を割いてバットを振ってきましたので、どちらかというと点を取って勝っていくチームです。しっかり打って、しっかり守ってエースの伊澤を楽に投げさせてあげられる展開にもっていきたい。
夏へと繋ぐ
──甲子園で楽しみにしていることは。
石井 僕は早くセカンドのポジションについて、ノックを受けたいですね。
橋中 5番を任されている自分は早くバッターボックスに立ちたいです。
──最後に目標を。
石井 勝ちに行くのは前提ですが、今回の出場はOBの皆さんの力があってこそだと思います。夏にもう1度、今度は自分たちの力で甲子園の出場権を取れるよう、より多くのことを経験してきたいです。
──ありがとうございました。健闘、お祈りしています。 (文中敬称略)
和歌山中学・桐蔭高校 硬式野球部の歴史と戦績
〈主な出来事〉
明治30年(1897年)
和歌山中学に初めて野球が紹介される
大正4年(1915年)
夏の第1回大会となる全国中等学校優勝野球大会(現・全国高校野球選手権大会)に出場
大正10年(1921年)
全国選手権大会決勝、京都一商に16─4で勝ち、初の全国制覇
大正11年(1922年)
全国選手権大会、神戸商との決勝に8─4で勝利し、2連覇
昭和2年(1927年)
全国選抜大会、決勝で広陵を8─3で下し、初優勝
昭和23年(1948年)
この年から校名が桐蔭高校に。全国選手権大会、決勝で小倉に0─1で惜敗し準優勝
昭和36年(1961年)
全国選手権大会決勝、浪商に0─1で敗れるも準優勝
昭和61年(1986年)
全国選手権大会、25年ぶり出場
平成27年(2015年)
21世紀枠で53年ぶり16度目の全国選抜大会出場
〈全国大会の成績〉
〇春の全国選抜大会(出場15回) 優勝1回、準優勝1回、 ベスト4進出2回
〇夏の全国選手権大会(出場20回) 優勝2回、準優勝3回、 ベスト4進出4回
(ニュース和歌山2015年3月7日号掲載)