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 和歌山市岩橋の紀伊風土記の丘は、県内最大級の前方後円墳「大日山35号墳」に、市民が実物大に再現した埴輪(はにわ)を古墳時代と同じ位置に並べ、当時の様子を復元した。仲原知之学芸員は「市民の皆さんと力を合わせて完成できた。作成した埴輪を見て、古墳時代の姿や技術に思いをはせてほしい」と語っている。

 和歌山平野を一望できる標高141㍍に位置する大日山35号墳は、全長約100㍍で、国指定特別史跡、岩橋千塚古墳群の中で最大。6世紀前半、豪族の紀氏のために造られたとみられる。再現したのは古墳の東西のくびれ部分にそれぞれせり出した造出(つくりだし)の東側で、東西6㍍、南北8〜10㍍。2003年から3年間行われた発掘調査で、造出から大量の埴輪が出土した。08年から6年かけ、市民や焼き物業者とともに埴輪製作に取り組み、21回開いたワークショップの参加者61人が実物大の埴輪を手がけた。

 国内で初めて発見された翼を広げた鳥や、県内最大の家、馬など、珍しいものは業者が製作し、その周囲を市民による高さ65㌢の円筒埴輪71個、朝顔形埴輪16個などがずらりと囲む。総数は109個。仲原学芸員は「1人で10個以上製作してくれた方もいます。発掘から足かけ12年の集大成となりました」と目を細める。

 午前9時〜午後4時半。月曜休み。同丘(073・471・6123)。

写真=総数109個、実物大の埴輪が古墳横に並ぶ

(ニュース和歌山2015年4月4日号掲載)