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 和歌山信愛高校(和歌山市屋形町)の新2年生33人が、家庭用品を製造販売する同市六番丁のキクロンと食器洗い用スポンジを企画した。3月26日に同校で試作品発表会が開かれ、山本菜々子さんは「一家に必ず1つはある物を、地元の企業と一緒に作れる貴重な機会で楽しかった。社会人になった時にこの経験を生かしたい」と目を輝かせていた。

 答えのない課題に挑戦するのが目的。希望する生徒が、昨年12月から工場見学や市場調査を行い、試作品を製作した。発表用のスライドも自ら作り、発表会に臨んだ。

 この日は、同社の役員と社員11人を前に、調査したデータや試作品のコンセプトを6つのグループごとに提案。水にぬれると色が変わるウェディングドレス型や、汚れが目立たない研磨粒子入りの真っ黒なスポンジ、泡をホイップクリームに見立てたショートケーキ型など工夫を凝らしたアイデア品を手に熱心に語った。ワニ型のスポンジを考えた長田茉莉さんは「背中に凹凸を入れて握りやすくしました。他のクラスの子と話し合いを重ね、協力してやり遂げました」と笑顔。

 この後、同社が各グループの良い点と商品化に向けた改善点を講評。嶋津俊宏社長は「長年、スポンジを作っているので、四角や小判型、ピンク、青、黄色が当たり前だと思っていた。すぐに商品化は難しいが、かわいさや利便性のみを追求し、自由な発想をしてもよいと気づきを与えてもらった」と話していた。

写真=サンプルを作り発表した生徒たち

(ニュース和歌山2015年4月11日号掲載)