この春、5競技の全国大会で県内の高校生が頂点に立った。4月11日号のレスリング、自転車に続き、今号ではソフトテニス、ゴルフ、フェンシングで優勝した女子選手たちを紹介する。

ソフトテニス 信愛 3年ぶり3度目のV 3冠へ〝舞獅道〟まい進

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 3月28~3月30日に愛知県で開かれた全日本高校選抜ソフトテニス大会女子団体で和歌山信愛高校が3年ぶり3度目の優勝を果たした。山本沙奈主将(新3年)は「昨年のこの大会は19年ぶりに近畿予選で敗れ、出場できなかった分、今年は結果を出したいと思っていました。全員に自信がつき、団結力が上がりました」とチームの成長を喜ぶ。

 3戦し、先に2勝した方が勝ちとなる団体戦。今大会、ポイントになったのは文化学園大学杉並(東京)との準決勝だった。初戦を落とし、後がなくなった2戦目、小山舞(新3年)・黒田麻衣組(同)がシーソーゲームを4─3でものにした。流れを引き寄せると、3戦目の笠井佑樹(同)・鈴木梨沙(同)組も勝利。決勝は高岡西(富山)を2連勝で下した。

 この大会に先駆け、3月21~3月23日に東京都であった全日本私立高校選抜大会も女子団体戦を制し、個人戦は小山・黒田組が優勝した。小山選手は「去年からレギュラーながら、結果を出せなかった。まだ課題はありますが、今年最初の大会で優勝でき、チームワークはさらに良くなった」、黒田選手は「個人的には前衛としての駆け引きに手応えを感じた大会でした。インターハイ、地元国体と3冠達成へ、良いスタートを切れました」。

 今年掲げた部のスローガンは〝舞獅道(ぶしどう)〟。山本主将は「意味は武士道と同じで、き然と真面目に努力を惜しまないとの思いを、また〝舞〟にはかっこよくコート上で暴れ回りたいとの気持ちを込めました。〝獅〟は獅子(しし)奮迅から取ったんです」。残す2つの全国大会で舞うように躍動する選手の活躍が楽しみだ。

ゴルフ 中谷選手 初の頂点に 好調パットで逆転飾る

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 全国高校ゴルフ選手権春季大会(3月24~3月27日、滋賀県)を制したのは、慶風高校新3年で和歌山市に住む中谷安結(あゆ)選手。「これまで全国大会での最高成績は去年のこの大会の19位でしたので、今回はさらに上位を目指していましたが、優勝できうれしい」と笑顔を見せる。

 2日間のトータルで競うこの大会。初日は73で首位と2打差の2位タイにつけた。上位4人が最終組で回った2日目、「初日トップの新垣比菜選手はプロツアーにも出ている有名な選手。他の選手も含めて周りに惑わされず、自分のペースでプレーできるよう心掛けました」。

 7番、8番と連続でバーディーを奪うと、12番では10㍍のバーディーパットをねじ込んだ。「3パットしないように、できるだけ近づけようと思っていたら入りました」と本人もびっくり。トータル144で2位に3打差を付け、逆転勝利を飾った。

 小学5年でゴルフを始めた中谷選手。「武器はドライバーの飛距離です」と話す通り、平均で250ヤードを誇る。今回の優勝で、6月にあるプロツアーのニチレイレディスへの出場権を手にした。「プロツアーはまだ予選を突破したことがありません。いい経験を積んできたい」と目を輝かせる。

 今、照準を合わせるのは5月の関西女子アマ選手権。上位20位に入り、6月の日本女子アマ選手権出場をねらう。「来年のプロテストに合格し、将来はプロツアーで活躍できる選手が目標です」。クラブを握る手に思いを込める。

写真=プロツアーでの活躍を夢見る中谷選手

フェンシング 和北女子 団体夏春連覇 優勝候補の重圧はね返す

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 フェンシング女子団体で昨夏のインターハイを制した和歌山北高校が、3月21、3月22日に奈良県で行われた全国高校選抜フェンシング大会でも優勝し、夏春連覇を飾った。この大会の優勝は2年ぶり3回目。井川世帆(ときほ)主将(新3年)は「去年は3位で悔しい思いをした。地元国体がある今年最初の大会で良い結果を出せて良かった」。

 1チーム5人中、3人が出場。両チーム3人が総当たりで計9試合を戦う。各試合の得点は引き継がれ、勝っているチームの得点が5点、10点、15点…と5の倍数になると次の試合に移るリレー方式で行われた。

 「試合前から『和歌山北が優勝して当たり前』という雰囲気で、緊張感があった」と振り返るのは巾下可蓮(はばした・かれん)選手(新3年)。各試合とも一回り目は接戦になることが多かったが、メンバーで唯一の新2年生、東莉央(りお)選手は「先輩が戦っている時、相手の戦い方をしっかりチェックしていました」。

 攻略法を見出して徐々に引き離し、決勝までの7試合、最も得点差が小さかった富山西との決勝でも45─35と10点差を付けた。知花有里選手(新3年)は「全国大会はあまり出たことがなく、足を引っ張るのではと不安でしたが、『自分もやればできるんだ』と自信になりました」と笑顔。

 巾下選手は「自分たちが最高学年となり、チームの雰囲気を盛り上げていこうとの思いが強かった。次はインターハイで団体連覇を」と意気込んでいる。

(ニュース和歌山2015年4月18日号掲載)