歴史地理研究会が企画

 

重文絵図 紀の川市の旧粉河町長田地区を巡る見学会「中世井上本荘絵図の村を歩く」が12月4日(日)に開かれる。地理学や郷土史の研究者らでつくる和歌山歴史地理研究会主催。水田義一会長は「現在の景観と絵図を見比べながら歩くと中世の村の姿が浮かび上がってきます。歴史地理の神髄を味わって」と呼びかける。

 和歌山地理学会を前身とする同研究会は、江戸時代や中世の地図を元に現地を訪ね歩くフィールドワークを定期的に開く。今回は、600年前の長田地区を描いた「紀伊国井上本荘絵図」が今秋、国の重要文化財に指定されたのを記念して企画。絵図は、山、川、農地、家屋に加え、神社や寺院、ため池が色鮮やかに描かれており、地形などから現在地が推測できる。当日は、同会メンバーで和歌山市立博物館の額田雅裕館長らが、風市神社、長田観音のほか、上泥池や呂ノ池、小田井用水と藤崎井用水など全7㌔を案内する。

 水田会長は「江戸時代のかんがい工事や、戦後の果樹園拡大、現在は工場の進出など地域の変容は大きいですが、絵図に描かれた中世の景観は今も味わえます」と話している。

 午後1時に紀伊長田駅集合。資料代500円。希望者は11月22日までに同会(FAX073・432・3361、w.rekichiken@gmail.com)。

 

(2016年11月12日号掲載)