111 和歌山市出身のプロテニスプレーヤー、長尾克己選手(27)と、東京出身の奥大賢(ひろまさ)選手(27)のペアが10月20日〜30日に東京で開かれた全日本テニス選手権のダブルスで初優勝した。

 ダブルスには32組が出場。初戦で相手にマッチポイントを握られるまで追い詰められたが、そこから大逆転した。2人とも「あれが1番苦しかった」と振り返りながら、2回戦で2年前の同大会シングルス優勝者らのペアに競り勝つと波に乗り、優勝まで駆け抜けた。

 ここ数年、2人は相手サーブを返すリターンの強化に努めてきた。長尾選手は「2人ともサーブは悪くない。リターン時のゲーム運びのパターンを変えたことの成果が出ました」とほほ笑む。

 長尾選手は小倉小、高積中から大阪の長尾谷高に進学。中学の時に全日本準優勝経験がある奥選手とのダブルスで高1、3年の時に全国制覇、高2で準優勝した。それぞれ別の大学に進んだが、4年時にダブルスを組み、全日本学生選手権大会で準優勝した。

 初めてペアを組んでから12年、2人の息はピッタリ合う。「長尾選手はパワーがあり、ここ一番の勝負強さが持ち味」「奥選手はコントロールを重視し、安定感がある」と互いに評し合い、信頼感は抜群。奥選手がコースを突き、チャンスボールを長尾選手が決めるのが勝ちパターンだ。

 今後は全日本連覇と国際大会でランキングを上げ、4大大会の予選出場を描く。まずは、男子プロテニス協会運営の1ランク上のツアー出場を目標に掲げる。

 なお、10月初旬に盛岡市で開かれた国体では5試合を危なげなく勝ち上がり、3連覇を果たした。

写真=優勝を飾った長尾選手(右)と奥選手

(ニュース和歌山2016年12月3日号)