LCC就航の影響で、台湾から和歌山を訪れる観光客が増える中、昨年は和歌山市で日台交流サミットや夜市が開かれるなど、にわかに台湾ブームの兆し? 今回は台湾に嫁いだ山下安奈さんの現地レポートや、和歌山との意外なつながりを紹介します。

新竹に嫁いだ山下安奈さん  住んでみたら、こんなとこ!

20170101_12 和歌山市加太出身で、台湾人の夫とともに台湾の新竹に住む山下安奈です。台湾は夫婦別姓なので名前は変わりません。台湾の名前にしたければ、自分で決めることもできます。新竹は台北から車で1時間ほどで、「風の街」と言われるほど風が強い。台湾は1年中暖かそうなイメージですが、北部の冬は寒いです。

食生活は?

 基本的に3食とも外食する人がほとんどで、何でもテイクアウトできます。朝は台湾おにぎり、蛋餅(ダンビン。卵焼きクレープで朝の定番)、大根餅、サンドイッチなどを通勤途中に買って職場で食べます。昼や夜は店で食べたり、持ち帰ったりが多いです。

物価は?

 電車や水道、電気代やお弁当は日本に比べて安い。でもレストランやカフェは変わらない、むしろ日本よりも高い。それなのに日本で時給が800円くらいとすると、台湾の時給は約120元(約420円)。土地が少ないので都会はマンションが多く、むちゃくちゃ高い! マンションを買えるお金があれば、和歌山で一軒家が建てられるほど。うちの近くの2LDKや3LDKの中古マンションで5000万円以上します。買い物すると、レシートが宝くじになっていて、2ヵ月ごとに発表があります。当選金は200元(約700円)〜1000万元(約3500万円)。外国人も受け取れるので、旅でのレシートは置いておくといいですよ。

 魅力は?

 台湾人はおおらかで親切な人が多いです。道に迷っていると、目的地まで連れて行ってくれることも。お年寄り、妊婦、子どもに優しく、電車やバスでは必ず席を譲り、寝たふりする人はいません。それにショーロンポーやマンゴーかき氷以外にも、おいしい食べ物がたくさん。親日で日本語が通じやすく、2泊3日で気軽に来られます!

写真=活気ある台湾の市場

 

100年残る〝紀州庵〟

20170101_12c 「紀州庵」と名付けられた文化施設が台湾にあるのをご存知? 和歌山市出身の実業家、平松徳松さんが1917年に建て、今年で100年を迎える。2度の火災に遭い、離れのみが現存しており、2004年に台北市の重要文化財に指定された。

 元々は本館や別館、離れからなる豪華な料亭で、太平洋戦争時には患者の収容施設になったことも。2011年に新館が建てられ、「紀州庵 文学森林」としてオープンし、13年に離れの修復工事を実施。新館にはレストランや地域の展示コーナーを設け、文化の発信拠点として活用されている。

 

食や文化発信 日台交流協会

20170101_12b 台湾名物のナイトマーケット、夜市を昨年、七曲市場で開いた和歌山日台交流協会。台湾人との交流会や料理教室を行い、和歌山に台湾の風を吹き込んでいる。木村孝誠会長は「飛行機で2時間半と近い。台北は都会で、台南は昔の日本のような懐かしい風景が残っている。夜市や朝市がさかんで、24時間楽しめます」と魅力を語る。

 和歌山でのイベントだけでなく、紀州庵に出向いて和歌山ラーメンをふるまったほか、台湾からの観光客に向けた和歌山市内の和食店マップを作成するなど、和歌山の魅力をPR。

 今年は2月12日(日)にマリーナシティで開かれる自転車の大会「シクロクロス」で台湾ブースを設けるほか、夜市の第2弾を計画中だ。

写真=台湾各地で毎晩にぎわう夜市

(ニュース和歌山2017年1月1日号掲載)