500gou- 弊紙5000号を記念して、兼題「祝」で募集した和歌山三幸川柳会。人生の節目を詠んだ句や、弊紙へ向けた句など、たくさんのご投句ありがとうございました。入選された力作をご紹介いたします。選者・評は和歌山三幸川柳会主幹の三宅保州さんです。

 

一席  生をうけ生きぬくことが祝いです 藤原ほのか

【評】「生をうけ生きぬく」という力強さと、そのことが何よりの祝いであるという自覚に胸を打たれる思いの、お見事な一席です。

 

二席  退職に棘のないバラ贈られる   楠原 富香

【評】在職中は棘のあるバラに傷みもあったでしょうが、退職後は棘のないバラのもと、第二の人生を送って下さいという「棘のないバラ」という比喩が抜群です。

 

三席  遮断機が上がり二十歳の祝い酒  小川あき子

【評】二十歳の成人のお祝いを「遮断機が上がり」と比喩的に詠まれたことが秀逸です。成人になって権利も義務も生じることを自覚される「祝い酒」なのですね。

 

【秀句】

見付けたよ川柳というよき伴侶   長谷川葉子

命名の朱文字にほっこりをもらう  岡内 知香

ささやかな祝い餅出るケアの朝         松尾 俊介

たった一人の卒業祝う胸のバラ   米澤 俶子

命名のルビに驚く内祝い      中西 宏夫

ご祝儀をあげたい婿の介護ぶり       磯部 義雄

記念日を重ねて太くなる根っこ       上村八重子

赤飯の小豆弾ける誕生日      定松 宏枝

祝い箸一つ増やした里帰り     酒井 純子

アケオメとメールで飛んできた賀状   古久保和子

【入選】

祝の字に見える歩いてきた道が   田中 克則

祝五千号明日へ向かい飛躍する   北山 絹子

五千号ニュース和歌山読む至福   土屋起世子

襟正しお祝いします五〇〇〇号   岡本  昇

無我夢中生きた証の五千号     森口 美羽

五千号次のお祝い一万号      福島 一雄

ミニコミ紙ナンバーワンで祝五〇〇〇 丸山 孝雄

わかやまの暮らし見守り金字塔   川端 章子

祝二十歳少し冒険する御猪口    上野美枝子

祝祝と大パノラマの日の出立つ       岩橋 弘子

祝われて伸びる大器と期待され       川上 智三

祝い箸一膳増えて四世代      石田ひろ子

祝い箸増えてドラマが動き出す   宇野 幹子

知らぬ間に祝日増えたカレンダー  楠見 章子

乾杯をイライラさせている祝辞   山東日出男

新札の諭吉見送る祝い事      田中 みね

ぐつぐつと煮込むページがあたたかい 小谷 小雪

川柳の楽しみニュース和歌山で   根田よしこ

川柳の妙味伝えて五千号      佐藤 まき

五千号汗と涙で織る錦       武本  碧

 

20170121_miyaketn三宅保州さん

 ニュース和歌山さんの5000号記念川柳のお題「祝」に、330句ものご応募をいただきましたが、入選数は33句ですので、競争率は10倍にもなり、多くの玉句をお採り出来なかったことになり、申し訳ございません。今後もこれに懲りずに、ニュース和歌山と和歌山三幸川柳会協賛の川柳にご応募いただきたくお待ち申し上げます。

選者吟・五千号寿ぐ祝句数多寄り

 

(ニュース和歌山2017年1月21日更新)