華やかなドレスをまとった女性16人、黒の上下を身につけた男性14人が、真新しい体育館に歌声を響かせる──。和歌山市鷺ノ森南ノ丁の伏虎義務教育学校で6月13日、新国立劇場合唱団の演奏会が開かれた。全児童生徒676人が、声の迫力に圧倒されながら混声合唱に聴き入り、団員と共に校歌『伏した虎よ』を歌い上げた(写真)。

 文化庁の「文化芸術による子供の育成事業」の一環。合唱団は公演に先立ち、5月に同校を訪れ、校歌の良さと、みんなと一緒に歌うことの大切さを知ってもらおうと、ワークショップを開いた。

 この日は、まず、合唱団が混声四部合唱に編曲した校歌を披露。続いて、女性のみで『ほたるこい』、男性のみで『ソーラン節』、男女一緒に『群青』を聴かせた。

 後半は、オペラが中心。指揮の三澤洋史さんが「オペラは歌いながらのお芝居」と説明し、団員が身振り手振りを交え、糸紡ぎや狩りの様子を表現した。さらに、団員が子どもたちの列に入り、校歌や『翼をください』を歌った。

 子どもたちはワークショップで「あくびをするように口を開いて歌う」と指導を受けていた。6年の森脇愛友(あゆ)さんは「顔面体操で顔を柔らかくすると歌いやすくなりました」、玉置朔也(さくや)くんは「オペラは演技をしてくれるので、分かりやすかった」と感心していた。

(ニュース和歌山/2017年6月24日更新)