和歌山市は和歌山城の魅力アップを目的に、天守閣周辺の整備に取り組み始めた。天守閣前の売店改築、本丸御殿跡の一部にビュースポットを整備、天守閣や紅葉渓庭園のLED照明によるカラーライトアップを予定する。将来的に大奥や能舞台の復元、扇の芝整備を視野に入れ、実現すれば、城が大きく変わることになる。

 売店は、天守閣が再建された1958年に開設。木造132平方㍍で、休憩所と土産物店を兼ねる。老朽化が進み、柱やはりに白アリ被害があるが、国の史跡内のため、取り壊すと再建が難しいことから改築となった。

 外観は杉の木製格子を取り入れた和風で、景観に配慮。内部に厨房を新設し、そばやうどんなどの軽食を提供する。11月に工事を始め、来年4月の開店を目指す。

 ビュースポットは天守閣東側の本丸御殿跡に設ける。ここは1925年から上水道の給水場として活用しており、一般の人は階段で7㍍上がったところにある門の前までしか行けなかった。計画では、門や塀を後退させ110平方㍍の広場を確保、ベンチを置いて天守閣をゆったり眺められるようにする。これに合わせ、眺望をさえぎる木々の一部を伐採する。今年11月末の完成予定。さらに、ライトアップはイベントに合わせたカラー演出をにらみ、LED投光器を導入する。

 和歌山城整備企画課は「安全を確保し、紅葉渓庭園の夜間開放を検討しています。いろんな城の姿を楽しんで」と話している。

写真=リニューアルする売店のイメージ図

(ニュース和歌山/2017年6月28日更新)