地域の歴史を発信する展示室を備えた複合施設、平井ふれあいセンターが4月1日、和歌山市平井にオープンした。
1階の歴史資料室は、第二阪和国道工事前発掘調査時に発見された約1500年前の埴輪窯がメーン。埴輪を焼いていた窯が見つかったのは全国的に珍しく、3×8㍍ある窯の複製を展示している。
周辺の平井遺跡や楠見遺跡、大谷古墳などから出た土器や埴輪も紹介。矢を入れる武具の形をした胡籙形埴輪(ころくがたはにわ)は、全国でも和歌山でしか出土していない。雑賀孫市ゆかりの寺院や城跡が残る平井地区で、雑賀鉄砲衆の本拠と伝わる平井城のジオラマ、雑賀鉢や火縄銃のレプリカも並ぶ。
市文化振興課の辻由紀さんは「破片をつなぎ合わせて元の形を復元する埴輪パズルは、実際に出土した土器を模したもの。子どもたちが楽しそうに挑戦しており、最近は完成までの時間を競い合っているようです」とほほ笑む。
2、3階にはコミュニティ室や教養娯楽室、遊戯室などがある。午前9時~午後5時。㊐㊗︎休み。同館(073・451・2765)。
写真=高低差3㍍ある埴輪窯の一部は床下を掘って展示
(ニュース和歌山/2021年4月24日更新)