『火具鎚のうた』視聴15万回

 夜の和歌山城で撮影した創作歌劇『火具鎚(かぐつち)のうた』が動画サイト、ユーチューブでの視聴回数を順調に伸ばしている。公開から1ヵ月あまりで15万回を超えた。外出自粛が叫ばれる連休、おうちで演劇鑑賞はいかが?

 和歌山市や市観光協会などが実行委をつくって進めるプロジェクト「WAKAYAMA SOUNDSCAPE」の一環。新型コロナウイルスの感染拡大で文化芸術にふれる機会が減る中、「ウィズコロナ時代の新しい演劇スタイルへの挑戦を」と取り組んだ。

 撮影は2月27日、和歌山城西の丸広場で観客を入れずに実施。オーディションで選ばれた地元出身の若手俳優やダンサーはじめ、和歌山児童合唱団や和歌山雅楽会のメンバーら約100人が出演した。

 ストーリーは1400万年前、紀伊半島で世界最大規模の噴火があったとの説を元に考案された。舞台は地球温暖化が止まらない2100年、世紀末の和歌山市。高校生のミーコとカイはある日を境に同じ夢を見るようになり、その不思議な現象は世界中へ広がり始める。カイの弟、ソラを加えた3人は謎の解明に乗り出す──。

 撮影はライトアップされた天守閣をバックに、レーザーやLEDなどを駆使して行った。ミーコを演じた同市の土井美咲さんは「レーザーですごい異空間が生まれ、驚きました。環境問題やSNSについて考え直すきっかけになる話だと思います」。カイ役の中西弘志さんは「コロナで気持ちが沈むこともありますが、この作品が前を向くきっかけになってほしい」と願いを込める。

 写真=最新技術を駆使して壮大に演出した舞台のワンシーン

(ニュース和歌山/2021年5月1日更新)