文化の祭典、国民文化祭が10月30日㊏〜11月21日㊐の23日間、「紀の国わかやま文化祭」と題して、和歌山県内各地で開催されます。演奏会や演劇、アート作品の展示会や映画祭など様々なイベントが盛りだくさん。申し込み受け付けやチケット販売が始まっている催しを紹介します。

 

地元の偉人や歴史テーマに クラシックコンサート

向山精二さん

 

 和歌山の偉人や自然、歴史をテーマにした曲を披露するクラシックコンサート2公演が県民文化会館大ホールで開催される。いずれも2018年に県文化功労賞を受賞した海南市の向山精二さんによるオリジナル曲などを演奏する。

 まずは開幕前日、10月29日㊎の「前夜祭クラシックコンサート」。和歌山市出身で東京芸術大学学長の澤和樹さんがコンサートマスターを担当する2部で、「世界津波の日」(11月5日)を広めるために向山さんが作曲した『世界津波の日:濱口梧陵』を初披露する。地震、津波の迫力や衝撃をオーケストラの演奏と共に、映像と照明を使って表現。当日指揮を務める向山さんは「梧陵の功績を讃えつつ、災害のせい惨さを忘れないためのひとつの形として、音楽で表現した。この火は決して絶やしてはいけない」と熱を込める。また、広川町の広小学校5、6年で結成した合唱団が『稲むらの火』を歌う。

秋川雅史さん

 

 なお、1部、2部ともテノール歌手の秋川雅史さん(写真下)が出演し、『君が代』やヒット曲『千の風になって』ほかを披露する。演奏はエコ特別記念交響楽団。3000円、小中学生1000円。

 もう1つは11月12日㊎の「クラシックオーケストラコンサート」。『真田幸村』『華岡青洲』『南方熊楠』といった和歌山に縁のある人物や、『高野山の四季』『和歌山城・銀河のマリーナ』など県の名所をテーマにした向山さん作の楽曲をオーケストラが演奏する。矢倉愛さん、瑞樹比美香さん、米山茉莉子さんのソプラノ歌手3人、アーツクラシックバレエ代表の井上育子さんら地元出身、在住者も出演。1000円、小中学生500円。

 いずれも午後6時半。小4以下不可。県文(073・436・1331)、ローソンチケットほかで販売。なお、両日午後5時から曲に関連する観光資料を展示する。

 

片男波で野外ジャズフェス

 ジャズバンドフェスティバル…11月20日㊏と21日㊐午前11時〜午後4時半、和歌山市和歌浦南の片男波公園。
 和歌山県内出身、または活動するプロ、アマのジャズミュージシャン14組が結集。初日は那智勝浦町のギタリスト、濱口祐自(写真)、2日目は1980年代に一斉を風びしたナニワエキスプレスがトリを飾る。
 両日通して2000円。和歌山県民文化会館ほかで販売。雨天時は健康館で。和歌山ジャズプレーヤーズ協会(073・451・8172)。

 

世界遺産高野山シンポジウム

 11月3日㊌午後0時半、高野町高野山の高野山大学。
 『陰陽師』『餓狼伝』の作者、夢枕獏さんが「若き日の空海」をテーマに講演。また、「祈りの聖地〝高野山〟の魅力」について、國學院大學の西村幸夫教授、高野山大学の添田隆昭学長、イラストレーターの田中ひろみさん、モデルのはなさんが意見交換する。橋本市出身の尺八奏者、辻本好美さんの演奏も。
 無料。定員350人。申し込みは9月30日までに紀の国わかやま文化祭HPから。応募多数の場合抽選。

 

演劇、音楽通じ 障害を知ろう

人形劇「稲むらの火」

 

人形劇「稲むらの火」
 11月6日㊏午後1時半、和歌山市砂山南の和歌山ろう学校。
 安政南海地震津波の実話をもとに、戦前から防災教育で取り上げられてきた物語を、ろう者と聴者による人形劇団「デフ・パペットシアター・ひとみ」が上演する。定員70人。

菅田利佳さん

 

ピアノ音楽祭
 11月7日㊐午後2時、紀の川市貴志川町長原の生涯学習センター。
 和歌山市出身で、視覚に障害を持ちながら数々のコンクールで入賞歴を持つ東京大学教育学部3年の菅田利佳さん、有田川町に住む全日本障害者音楽連盟会員の溝端真基さん、同じく同町在住で、脳こうそくの後遺症による重度の左半身麻ひを抱え、片手でピアノを演奏する佐々木秀平さんらが演奏やトークを行う。定員230人。

演劇会
 11月19日㊎と20日㊏午後1時、和歌の浦のアートキューブ。
 障害者を含む劇団「じゆう劇場」による舞台。障害者が登場する『たぶん、朝食の後に』『いらっしゃいませ、ウォルマートへ』の2作品。各日定員55人。

 いずれも無料。申し込みは9月21日までに希望イベント名、代表者と申込者(4人まで)の氏名(フリガナ)、電話番号、住所、「車いすで来場」「手話通訳必要」など配慮情報を書き、障害者交流事業応募事務局(FAX073・475・6062、メールkinokunikouryuu3@gmail.com)。応募多数の場合抽選。

 

和歌の聖地 和歌の浦魅力探訪

 ①聖地和歌の浦の魅力を見つけよう!フォトウォーク
 11月3日㊌午前10時。地元の写真家、松原時夫さんと巡り、絶景スポットを撮影。紀伊万葉ネットワーク、村瀬憲夫会長による万葉歌の話も。無料。定員30人。カメラ持参。

 ②みんなで短歌づくりに挑戦しよう~和歌の神様に奉納
 11月3日午後1時。燦短歌研究会の永廣禎夫代表による講演とワークショップ。和歌山雅楽会の演奏も。短歌奉納料2000円。小学4年生以上対象。定員30人。

 ③冷泉家による和歌披講・和歌の浦と和歌についてのトークイベント
 11月7日㊐午後1時半。歌聖と呼ばれた藤原俊成・定家父子を祖先に持ち、冷泉流歌道を継承する京都の冷泉家が出演。和歌に節をつけて歌い上げる「和歌披講」を披露する。村瀬さんによる講演「万葉の和歌の浦から和歌の家の伝統へ」も。無料。定員60人。
 写真=冷泉家による和歌披講も(提供=冷泉家時雨亭文庫)

 いずれも会場、集合場所は和歌山市和歌浦中の玉津島神社。希望者は往復ハガキに希望イベント番号、参加者(2人までの)住所、氏名(ふりがな)、年齢、電話番号を書き、〒640・8511和歌山市文化振興課「和歌の聖地 和歌の浦魅力探訪」係へ。9月30日必着。応募多数の場合は抽選。市実行委(073・435・1194)。

(ニュース和歌山/2021年9月18日更新)