発足10年 紀州百匠隊が体験会

 農産物の栽培体験を通して農業に触れる機会をつくろうと活動してきた紀州百匠隊が10周年を迎える来年にかけ、「八朔(はっさく)ビール造り」を企画した。材料に使うのは、農薬、肥料、除草剤を使わず育てた大麦と八朔。久保智和代表は「自然農で環境に負荷をかけなくても、農作物はしっかり育つことを知ってほしい」と話している。

 2012年発足の紀州百匠隊は現在、紀の川市、和歌山市の農家と元農家5人で活動する。これまで、酒米を育てて日本酒を造る会や、〝フルーツ婚活〟と題した桃の収穫会など、農業体験イベントを開いてきた。

 今年は、紀の川市が桃を材料にクラフトビールを製造したのを受け、同じ果物でビールと相性の良い柑橘から、八朔ビール造りを選んだ。体験会は11月~来年6月(12月を除く)の第2土曜に紀の川市内で実施。初回の11月13日は大麦の種をまき、以降、根の張りをよくするための麦踏み、畑の草刈り、収穫に汗を流す。その後、大阪の醸造所に依頼し、2ヵ月かけてビールに仕上げる。

 大麦200㌔、330㍉リットル瓶で500本以上を目標に掲げる。メンバーの片山篤さんは「これまでも自分たちがつくったものを食べたり、飲んだりし、『感動した』と話してくれた参加者が多かった。新型コロナウイルス後の新たなスタートとして、2年近く色々と自粛していた皆さんと世界に一つだけのビールで乾杯しませんか」と呼びかけている。

 参加費5000円。希望者は11月12日までに片山さん(090・4031・1950)へ申し込む。詳細は「紀州百匠隊」フェイスブック

写真=「自分たちが栽培した農作物でビールができるんです」とメンバー

(ニュース和歌山/2021年11月6日更新)