2023年新春を飾る特別インタビュー。第1弾はプロ野球、千葉ロッテマリーンズの監督に就任した和歌山県出身の吉井理人さん(57)です。3月に控える野球の世界一決定戦、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)では日本代表の投手コーチを務めます。2つの大役を担う吉井さんに聞きました。

 

背番号は「21」

──まず、コーチ、ピッチングコーディネーター合わせ4年間務めた千葉ロッテの監督就任、おめでとうございます。

 「お話をいただいた時は驚きましたが、野球人として断れる話ではないと思いました。12球団で12人しかいない立場。本当に光栄な事です」

──監督としては珍しい「21」を背番号に選びました。箕島高校の先輩、東尾修さんから大きな影響を受けたそうですね。

 「子どものころからプロ野球選手と言えば同郷の大先輩、東尾さんで、あこがれでした。その東尾さんと同じ『21』を現役時代も付けたことがあります。今回、たまたまこの番号が空いていたので付けさせていただきました。もちろん、希望する現役選手が出れば譲るつもりです」

 

多い同郷出身者

──千葉ロッテには和歌山県出身や縁の深い選手が結構いらっしゃいます。まずは、ここ10年あまり、リリーフ陣を引っ張ってきた市立和歌山高校出身の益田直也投手。改めて今年、益田投手に期待することは?

 「益田は実績もあるし、実力もある選手。昨年は不本意だったと思いますが、まだまだやれる。ロッテの生え抜きのリーダー格として、みんなを引っ張って欲しいです。もちろん、和歌山枠として期待をしています(笑)」

──続いて、智辯和歌山高校出身の吾妻勇輔投手。大卒で入団し、2023年は5年目となります。

 「東妻は実力があるだけに、もっと頑張ってほしい存在。打者と対戦する上で戦術、戦略をもっと考えて、見つめ直して取り組んで頑張ってもらいたい」

──和歌山市出身の八木彬投手(高校は青森県の八戸学院光星)は1年目の昨年、新人ながら22試合に登板しました。

 「ルーキーながらよく頑張ったと思います。後半はやや体力面で苦労したのかなあと思いました。色々とこの1年で感じたことがあると思うので、オフはプロの体作りをしてきてほしい。今年は開幕から1年間、一軍で働いてくれることを期待しています」   

益田投手 ©C.L.M.

東妻投手 ©C.L.M.

八木投手 ©C.L.M.

 

──市立和歌山高校から昨年入団した松川虎生捕手は、開幕スタメン、佐々木朗希投手との完全試合達成など様々な話題を届けてくれました。

 「松川はキャッチャーとしては頑張っていましたが、打つ方でももっとやれる、スケールの大きな選手。もっと打って、もっと勉強して、日本を代表する捕手になってほしい。そういう意味ではまだ半人前。これからに期待です」

松川捕手 ©C.L.M.

 

 

いざWBCへ

──3月のWBCでは日本代表の投手コーチを務めます。

 「ダルビッシュ有、大谷翔平の出場が決まり、本当に楽しみになっています。若い選手もなるべく多く起用し経験を積んでもらうことで、これからの日本野球のためになる選考をしていきたい」

──そのWBC、野球王国・和歌山のファンは、第1回、第2回大会以来の優勝を期待しています。ずばり頂点に立つためのポイントは?

 「やはり短期決戦ですので守りですかね。ピッチャーが最少失点に抑えることで試合を有利にして勝利を掴めたらと思います。栗山英樹監督と相談しながら継投をしていけたらと思います」

──監督として初めて迎える年、そして投手コーチとして挑むWBCと、今年は濃い1年になると想像します。決意を一言で表すと?

 「〝MAJOR(メジャー)〟です。昨年はワールドカップでサッカーが盛り上がりましたが、今年はWBC、そしてプロ野球で、もっともっと野球をメジャーなスポーツにしていければと思っています。千葉ロッテも、メジャーなチームとなれるように頑張っていきます。選手たちにもメジャー級の活躍を期待しています」

──最後に、2023年の新年にあたり、ふるさと和歌山の皆様へメッセージをお願いします。

 「千葉ロッテマリーンズは和歌山の皆様にとってはあまり縁のないチームかもしれませんが、和歌山出身の選手がたくさんいますし、私も和歌山出身です。これを機に応援していただけるとうれしいです。とにかく明るく楽しく、見ていて面白いチームを目指していますので、ぜひ千葉ロッテマリーンズの試合を見てください」

 

吉井理人

 1965年、吉備町(現在の有田川町)生まれ。箕島高校を卒業し、ドラフト2位で84年に近鉄入団。その後、ヤクルトを経て、98年に大リーグのメッツへ。ロッキーズ、エクスポズ、さらに帰国後はオリックス、千葉ロッテでプレーし、2007年に引退。翌08年以降は北海道日本ハム、福岡ソフトバンク、千葉ロッテでコーチを務めた。

※このページの写真は全て千葉ロッテマリーンズ提供です ©C.L.M.

(ニュース和歌山/2023年1月1日更新)