すけのあずささんが初絵本

 彼岸の中日に夕日からキラキラと花が降ってくるように見える「ハナフリ」。この伝承が残る和歌山市雑賀崎の町を舞台にした絵本『うみのハナ』が3月1日㊋にBL出版から発売される。紀美野町のイラストレーター、すけのあずささん(35)の初絵本で、「夕日を見ていると心が洗われ、穏やかな時間を過ごせます。今後もハナフリを楽しむ風習が続いてほしい」と願いを込める。  

 すけのさんは4年前、町並みを描こうと雑賀崎を訪れた際、今にも途絶えそうなハナフリを見る習慣と、地元で愛されながら閉めた理髪店を知った。「絵本ならこの両方を残せるのでは?」と思い立ち、制作を始めた。  

 物語の主人公は、ふうちゃんという名の女の子。夏休み、海辺の町で理髪店を営む祖父母のところへ遊びに行ったとき、海に沈む夕日から光の粒が降ってくるとの話をおばあちゃんから教わった。その後、突然、おじいちゃんが亡くなり──。  

 「制作時、雑賀崎の方たちから風習についてうかがい、当時は閉まっていた理髪店の中を案内してもらい、思い出話を聞かせていただきました」と感謝するすけのさん。「彼岸には何度も夕日を見に行き、目の前に光の粒が飛んでいる感覚はあったのですが、『これがハナフリなのかな…?』という感じで確証は持てませんでした。これからも通い続けます」と笑顔を見せる。  

 27×22㌢、32㌻。1540円。ガーデンパーク、宮脇書店和歌山店ほかで取り扱い。

(ニュース和歌山/2022年2月26日更新)