記念館完成 文化交流拠点に

 『紀ノ川』や『華岡青洲の妻』で知られる和歌山市出身のベストセラー作家、有吉佐和子ゆかりの記念館が5日、同市伝法橋南ノ丁にオープンした。恩田雅和館長は「有吉文学を地元で広めるのはもちろん、茶や書道など有吉と縁のある文化教室を開き、市民が文化や芸術に親しめる交流拠点に」と意気込む。

 東京都杉並区の家と庭を移築復元した木造2階建てで、2階は実際に使った机やいすを配置した書斎(写真)と茶室を再現。1階には、直筆原稿や掲載雑誌、愛用の万年筆が並ぶ展示室とカフェを設け、点字図書の貸し出しも行う。訪れた同市の大本眞一さんは「長年のファンで、読後感の良い文章が好き。建物は新しいけれど、実際に使っていた建具や机を見られてうれしい」と目を輝かせていた。

 恩田館長は「和歌山市駅からすぐなので、初めて和歌山市を訪れた観光客の始点として、郷土の偉人を伝えたい」と話す。

 午前9時~午後5時。㊌休館。無料。同館(073・488・9880)。

有吉ゆかりの品が並ぶ展示が次の2ヵ所で開かれている。

有吉佐和子と和歌山…8月14日㊐まで、同市湊本町の市立博物館。午前9時~午後5時。㊊休み。100円、高校生以下無料。同館(同423・0003)

有吉佐和子おもひでの品々…8月15日㊊まで、和歌山城内のわかやま歴史館2階。午前9時~午後5時半。100円、小・中学生無料。和歌山城整備企画課(同435・1044)。

(ニュース和歌山/2022年6月18日更新)