手段は複数確保を
7月上旬、携帯電話の通信障害が3日間にわたり発生したことで、公衆電話が注目された。平時の障害を災害時に見立て、万が一の時、連絡手段をどう確保するか。防災講座を開く和歌山市の増田もとこさんに聞いた。
─通信障害で困った人が多かったようです。
「昨年の水管橋崩落による断水もそうですが、平時のトラブルは防災や減災に備えるチャンスです。災害が発生すると、安否確認の電話が集中し、110番や119番につながりにくくなるのを避けるため、携帯電話や固定電話は通信規制がかかります。ただ、公衆電話は規制の対象になりません」
──公衆電話の現状は。
「和歌山市では中心部に集中しており、それ以外は1~2㌔四方に1台となります。NTT西日本によると3月末時点で県内に965台ありますが、今後、3分の1まで削減される予定です。人が殺到すれば、別の公衆電話を探して何㌔も移動することや、相手の状況によってつながらないことも。使い方自体を知らない若者もいるようです」
──では、どんな準備を?
「音声録音でやりとりする災害伝言ダイヤル(171)が有効です。『ラインが使えたので問題ない』との声もありますが、連絡手段は複数持っておくと良いでしょう。安否確認や情報収集を電子機器だけに頼るのではなく、職場や学校、近所の人など横のつながりを見直し、情報交換や声かけをしやすい関係づくりが必要です。電子マネーの普及が進む現代、現金の準備も忘れずに。『何とかなった』で終わらせず、連絡先や手段をリスト化しておきましょう」
(ニュース和歌山/2022年7月16日更新)