日本ではめずらしいサトイモの黄色い花が、紀の川市桃山町野田原の介護予防拠点施設、蛍の里で咲いた。施設に通う地域の農家の人たちは「花を見るのは初めて。こんなきれいな色だとは」と驚いている。

大きな葉の下に隠れるように長細い花が

 利用者の一人、町田勇輔さん(83)が昨年、知人にもらったサトイモの種芋を家庭菜園で育てたところ、偶然、開花した。「ひょっとしたら今年も…」と、その種芋を今春、蛍の里に植えた。順調に育ち、花を確認したのは9月5日。1つの花は2日ほどで枯れるものの、新たなつぼみを次々と付けている。

 50年以上、農業を営んだ栂野昭さん(96)は「サトイモは40年ほど作りましたが、花が咲いたことは一度もないですね」とびっくり。植物に詳しい根来山げんきの森倶楽部の岡田和久さん(64)は「熱帯地域の植物なので、開花には高い温度と高い湿度が必要。たまたまそんな環境になったのかもしれません」と推察している。

(ニュース和歌山/2022年9月24日更新)