岩出と貴志川の就労支援事業所

 傷んだ硬式野球用のボールを1球100円で修繕する活動に、障害者が働く岩出市清水のカルラと紀の川市貴志川町長山のフレーズ貴志川が取り組んでいる。両施設を運営する総合福祉高積の山口恭範代表は「作業にあたる利用者には自分が縫った球で練習する選手がいる喜びや達成感を感じてほしいし、選手の皆さんには物を大切にする心を一層、大事にしてもらいたい」と願う。

 〝エコボール〟と呼ばれるこの活動は2009年に京都の事業所で始まった。現在は全国46ヵ所に広がっており、和歌山県内では就労支援事業所のカルラとフレーズ貴志川が7月にスタートさせた。

 糸がほどけ、皮がはがれたボールを縫い直した後、丁寧に磨く。作業にあたる寺田龍一さん(写真)は「縫った後、糸や皮が浮いてこないよう気をつけています。修繕した球を大切に使ってくれているそうで励みになります」。

 高校野球の強豪、市立和歌山高校は2度にわたり、計300球近くを依頼した。熊本和真主将は「全く違和感なく使えます。直してくださる方への感謝の気持ちを胸に、練習に励んでいます」とにっこり。半田真一監督は「練習球でも500円弱、再生していただけるのはありがたい。作業所で働く皆さんのやりがい、さらには就労支援につながっていけばうれしいですね」と話している。

 カルラ(0736・67・7272)。

(ニュース和歌山/2022年11月26日更新)