「戦」が今年の漢字に選ばれた2022年。ロシアによるウクライナ侵攻が影を落とし、国内でも安倍晋三元首相が参院選の応援演説中に殺害されるなど、暗い話題が目立ちました。一方で、2月の北京五輪や年末のサッカーワールドカップでは日本代表選手たちが世界の強豪相手に戦う姿が感動を呼びました。そんな1年、和歌山ではどんな出来事があったのか、振り返ります。

 

選挙イヤー 知事に岸本氏

 

初登庁であいさつする岸本周平新知事

 2022年は大きな選挙が相次いだ。7月10日の参院選は鶴保庸介氏、8月21日の和歌山市長選は尾花正啓氏といずれも現職が大差を付けて当選した。

 11月27日の知事選は、4期、16年務めた仁坂吉伸氏の退任を受け、新人3氏で争われ、自民党、立憲民主党、国民民主党などから推薦を受けた元衆議院議員の岸本周平氏が8割を超える得票率で圧勝、初当選を果たした。

 

 

400年の和歌祭 沿道に5万人

 

400年の和歌祭、松平健さんが吉宗役で花を添えた

 江戸時代初期に始まった紀州東照宮(和歌山市和歌浦西)の例祭、和歌祭が400年の節目を迎えた。5月15日、祭は108ある石段での神輿おろしで幕開け。例年、和歌浦地区で行う渡御行列は、フォルテワジマ前から市役所前までの中心部に場所を移して実施した。ドラマ「暴れん坊将軍」で徳川吉宗を演じた俳優の松平健さんが白馬に乗って参加。沿道には約5万人が詰めかけた。

 

 

 

 

コロナ感染増も催し続々再開

 

3年ぶりの紀州漆器まつりは2日間で4万3000人

 新型コロナウイルスの猛威は今年も続き、8月19日には1日の県内感染者数が最多の2381人を記録。1月1日~12月19日の感染者は17万678人に上った。昨年まで同様、紀州おどりぶんだら節や港まつり花火大会など中止するイベントがあった一方、紀州よさこい祭りは例年の8月から9月に変更して実施。このほか、和歌山ジャズマラソンや紀州漆器まつり、貴志川線まつりなど、それぞれ感染対策を徹底しながら復活し、各所でにぎわいを見せた。

 

 

 

友ヶ島舞台のアニメで観光PR

 

「サマータイムレンダ」で観光PR

 4~9月に放送されたアニメ「サマータイムレンダ」の舞台が和歌山市加太とあって、全国から多くのファンが訪れた。放送を前に、同市は3月24日、キャラクターの小舟潮を市初のアニメ観光大使に任命。友ヶ島に等身大パネルを置き、PR動画にも起用した。また、同市の飲食店17軒できょう24日から、オリジナルコースターを配布。市街地にも人を呼び込む。

 

 

 

 

反対多数でIR誘致断念

 地域活性化の起爆剤として県が進めていたIR統合型リゾート施設誘致計画。4月20日に開かれた県議会本会議で、資金計画が不透明とされ、賛成18、反対22で否決となり、国への整備計画提出を断念した。カジノやホテル、国際会議場、レストランなどを備えた施設を予定し、マリーナシティに2027年秋の開業を目指していた。

有田のエネオス 新事業計画発表

 石油販売大手のエネオスは1月25日、有田市の和歌山製油工場を来年10月に閉鎖する考えを明らかにした。現在、約450人が勤めており、地元からは雇用の維持を求める声が挙がった。その後の11月24日、同社は航空機用燃料SAFの製造を同工場跡で行うと発表。原料は食用油などの廃油で、二酸化炭素の排出を大幅に削減できる燃料と期待される。2026年までに量産、供給体制を整える計画だ。

(ニュース和歌山/2022年12月24日更新)