今年も様々な分野で活躍された方々に紙面を彩っていただきました。そんな皆さんへ贈るニュース和歌山大賞。編集部が選んだのはこの6組です。

 

平和への思い 歌に込め50年 音楽賞 県第九合唱団

 年末の風物詩、ベートーヴェン『交響曲第九番』を歌う県第九合唱団が50周年を迎えました。1972年に活動開始。「自由」「平等」「友愛」への願いが込められた詞をドイツ語で、プロのオーケストラをバックに披露し続けてきた、全国でも少ない市民参加の合唱団です。新型コロナの影響で3年ぶりとなった12月18日の公演では、団員約80人が平和のメッセージを歌声に乗せて発信しました。

 

クラフトビール世界大会で㊎ 味力賞 平和酒造の髙木加奈子さん

 5月にアメリカで開催された、〝クラフトビール界のオリンピック〟と言われる「ワールドビアカップ」。アイリッシュスタイル・レッドエール部門で平和酒造(海南市)のビールが金賞を受賞しました。1928年創業の日本酒を造る蔵元で、ビール製造を始めた6年前から担当。「ビールに関しては他社に比べ、まだ歴史が浅い。逆に言えば、やれることがもっとあるはず」と探究心は止まりません。

 

 

 

 

 

モルック全国大会で日本一 スポーツ賞 和大生ら中心のヤングレオパルド

 フィンランド発祥のスポーツ、モルックの日本大会で10月、日本一に輝きました。強豪の社会人チームを相手に接戦をものにして勝ち上がり、300チームの頂点に立ちました。この大会、9回目で学生チームの優勝は初めてです。来夏、フィンランドで開かれる世界大会出場へ近づきました。地元企業や学校での普及活動にも取り組み、「発展途上の競技なので、どんどん広めていきたい」と張り切っています。

 

 

 

〝優しさのバトン〟が絵本に ほっこり賞 歴代の和大附小児童有志

 進行性の難病で失明した山﨑浩敬さんのバス通勤を手伝う和歌山大学附属小学校児童の実話を描いた絵本『バスが来ましたよ』が6月に出版されました。始めた子が卒業した後は後輩、さらに後輩へと10年以上、優しさのバトンが受け継がれています。現在、サポートしている6年の河島香音さんと4年の西前友雅(ゆい)さんは「お手伝いするのは当たり前のことだと知ってもらいたい」と声を弾ませています。

 

 

 

梅酢使いプロテオグリカン抽出 科学賞 和歌山大学の山口真範教授

 高い保水力で肌や関節の機能維持を担い、次世代の美容・健康成分と注目されるプロテオグリカン。大量に廃棄される梅酢を使って魚の軟骨からこの成分を抽出する技術を、和歌山大学教育学部の山口真範教授が生み出しました。県内の原料メーカーと連携し、量産体制を整え、梅酢に漬ける工程は原料を調達する梅干しメーカーが担います。産学の地域連携商品「梅プロテオグリカン」、今後に注目です。

 

 

 

 

 

紀美野のブドウハゼでコスメ 地域づくり賞 りら創造芸術高校生

 紀美野町のブドウハゼ産業を復活させたいと、りら創造芸術高校生が化粧品「キノミノリ」を考案し、3月に販売しました。和歌山産にこだわり、ブドウハゼの白ロウ、手作りの蒸留装置で町木の榧(かや)の実から抽出した精油を使用。メンバーの髙井遥香さん(当時3年)は「地域資源に価値があると地元の人に知ってほしい」と話します。後輩が受け継いで改良を進めているほか、同町がブドウハゼの木を植える取り組みを始めています。

 

 

(ニュース和歌山/2022年12月24日更新)