中西健志さん 児童デイで英語授業

 「ハロー・ハロー・ハロー・ ハウ・アー・ユー♪」と軽快な歌に合わせて英語であいさつするのは、和歌山市に住むダウン症の中西健志さん(23)。同市東高松の児童デイサービス・ミクで1日、同じ障害がある子どもたちに英語の授業を行った。

握手しながら「シェイクハンズ」と教える中西さん

 小さいころから英語が好きで、中学時代からスピーチコンテストに出場。2020年には東大阪大学英語弁論大会で準優勝した。高校生の時、「子どもたちに英語を教えて一緒に楽しみたい」と夢を抱くように。大学進学でミクを卒業する際、スタッフに思いを打ち明け、5年経った今月、一歩踏み出した。

 授業ではあいさつ以外にも、「ブルー」「イエロー」「グリーン」と、色の英単語を説明し、「ストロベリー」「サン」「ポスト」と赤いものをリズムに合わせて紹介した。指導員の川端昌子さんは「元々、物静かな子でしたが、堂々と授業する姿を見て感慨深かった。子どもたちも楽しそうで、積極的に英語を復唱し、歌が始まると体を揺らし、手拍子していました」と喜んでいた。

 今後も月2回程度実施する。中西さんは「みんなが英語で自己紹介し、夢を話せるようになるのが目標。声をかけてもらえたら、他の施設にも教えに行きます」。挑戦はまだ始まったばかりだ。

(ニュース和歌山/2023年3月11日更新)