4月11日告示 23日投開票

 4月11日告示、23日投開票で行われる衆議院議員和歌山県1区補欠選挙。岸田文雄政権の行方を占う試金石と、千葉5区、山口2区・4区とともに注目を集めている。4日時点で、門博文氏(自由民主党)、国重秀明氏(日本共産党)、林ゆみ氏(日本維新の会)、山本貴平氏(政治家女子48党)が立候補を表明。政策を聞いた。(文中敬称略。回答は50音順)

 

①略歴 ②好きな言葉 ③好きな和歌山の味 ④好きな和歌山の場所 ⑤子どものころの夢

 

一番の課題

──ロシアのウクライナ侵攻以降、景気や経済へ影響が出ているだけでなく、日本では防災や安全保障、少子高齢化を始め各種課題が山積しています。一番に対処すべきと考える課題について、対策を教えてください。

 人口減少は、少子化・高齢化や働き方改革、経済発展などの根元の問題。子育て環境の整備や若い世代の収入確保のほか、人口減少社会に対応する新しい仕組みづくりをはじめ、価値観の転換を図らねばならない。

国重 岸田内閣が閣議決定した「安保3文書改定」を撤回させること。専守防衛を投げ捨て、憲法をふみにじり、日本を「戦争する国」にする改定内容になっている。「敵基地攻撃能力」のための大軍拡計画を止める。

 少子化対策や経済成長のために、将来世代への投資を徹底する。維新がリードする教育無償化に加え、出産にかかる医療費の保険適用と出産育児バウチャー(クーポン)の支給で出産の実質無償化を実現する。

山本 第一は国防。昨今の東アジア情勢を見て、国防に対する関心が高まっている。攻撃型原子力潜水艦などの強い抑止力を持ち、仮想敵国から「日本を攻めると大変な事になる」と思わせることが重要と考える。

 

景気浮揚の一手

──新型コロナの影響もあり、後退した景気を浮揚させるため、最も取り組みたいことは何でしょうか。

 外国人向け観光産業は、外貨を稼ぐ最大の輸出産業。国内の資金を減らさず実施できる速効性のある景気対策だけに、政府の迅速な対応と民間のしっかりとした受け入れ体制を整えることが肝心だ。

国重 消費税を5%に緊急減税すること。インボイスは中止する。世界では100を超える国と地域が付加価値税(消費税)の減税に踏み切っている。そして中小業者への賃上げ支援を強化し、政治の力で賃上げする。

 約3年に及ぶコロナ禍で、国民は長く我慢を強いられてきた。相次ぐ物価高騰で疲弊する家計消費を下支えし、個人消費を促進させるために、時限的な消費税率の5%への引き下げに取り組んでいく。

山本 県内の主要農産物である果物の収穫体験などを目的とした人の移動をきっかけに、経済的に苦境に立たされている旅客運輸(鉄道、バス、タクシー)の利用を促進し、経済の活性化に貢献していく。

 

エネルギー問題

──エネルギー高騰が様々な物価を押し上げ、市民生活に多大な影響を与えています。どんな対策をお考えですか。

 機動的な支援策や抑制策を今後も続けていかなければならない。ただ、わが国が資源に乏しいことが根本的な原因であり、安全性を確保して原子力を活用することや、再生エネルギーの一層の利用が必要だ。

国重 電気代、ガス代、また農業、漁業の燃油など、高騰分への直接支援。エネルギー自給率10%の状況を改善するため、「国産エネルギー」である再生可能エネルギーの拡大と、円安を作ってきた金融緩和策の転換を。

 再生可能エネルギー賦課金の一時徴収停止による電気代の値下げ、低所得者層の社会保険料の半減による家計支援や、中小企業の社会保険料の事業者負担分を半減することによる事業者支援を進めるべきと考える。

山本 安全性の確認が取れた原発の早期再稼働を推進する。過度なEV化は抑制し、高性能ガソリンエンジン車、高性能ディーゼル車、ハイブリッド車と段階を経てEV化し、エネルギー利用の分散化を図る。

 

子ども支援施策

──将来を担う子どもたちに関し、教育や子育てにかかわる対策などのうち、最も力を入れるべき施策は何でしょうか。

 子ども施策の根本は子育て世帯の収入確保。特に和歌山では、観光業や地場産業の振興、先端技術による新産業の創出、リモートワークの環境整備などを通し、若い世代の就労・賃金の確保を図っていきたい。

国重 教育費無償化を目指す。高すぎる大学・専門学校の学費を将来的には無償に、当面は半額にし入学金は廃止。奨学金は返済不要の給付制に。憲法の定めた「義務教育の無償」へ、学校給食費や教材費を無料にする。

 少子化問題は、静かなる有事ともいえる最重要課題。子育て世代が、負担が大きいと感じているのは子どもの教育費であり、将来の日本を担う子どもたちのために教育の無償化に力を入れるべきと考える。

山本 幼いころから野外体験で自然に親しみながら、郷土国土を愛する心、世界最古の国である日本の文化に誇りを持てるよう支援したい。常に感謝の気持ちを忘れない人間を育てていくことを目指していく。

 

和歌山の魅力

──人の流れも少しずつ戻りつつあります。国内外問わず、最もアピールしたい和歌山の魅力は何でしょうか。

 和歌山は全国的にも観光資源が揃っている地域だが、県民・市民は過小評価している。この魅力を自覚し、もっと経済活動につなげるべき。和歌山城を中心とした和歌山市の観光産業都市化を図りたいと考える。

国重 県内はもとより和歌山市内でも、豊かな自然をアピールしたい。市街地近くにあり、和歌浦や雑賀崎などの海岸線や干潟、友ヶ島、和泉山脈など、季節の花々、海産物、農産物とともに、自然が楽しめる。

 四季折々で表情の変わる和歌山城。熊野古道や高野山という世界遺産があり、関西国際空港からも近い。大自然と歴史・伝統に育まれてきた地域資産を、国内はもとより、海外へアピールしていきたい。

山本 美しい海、山、渓谷と、それに加えて、美味しい果物や魚類などを国内外にアピールすれば、観光の強い武器になると思う。

(ニュース和歌山/2023年4月8日更新)