田植えから仕込みまで体験

 お酒を飲めない19歳で酒米を植え、稲刈りや仕込みまで体験し、20歳で乾杯──。「19祭(さい)の酒」と銘打ったイベントが、6月から和歌山市で開かれる。同市で米作りを行うライスジャパンの寺前彰彦社長と、かつらぎ町の初桜酒造の河嶋雅基杜氏らが協力して実施。2人は「日本の文化である日本酒とお米の理解を広げたい」と願いを込めている。

蒸した酒米を広げて冷ます工程

 19歳でつくった酒を20歳で飲むイベントは、滋賀の畑酒造が10年余り前から「19歳の酒」として取り組んでおり、同コンセプトのもと滋賀以外で実施するのは、和歌山が初めて。2人は「最初に口にする酒。それが自分が生産に携わった日本酒なら思いもひとしお」と実施を決めた。

 6月17日㊏に和歌山市下三毛の田で田植えをし、9月中旬に刈り取る。11月に仕込み、来年試飲会を開く。

 寺前社長は「田植えは手植えと機械を併用し、田植え機にも乗ってもらいます。酒米の五百万石を植え、それが酒になる。和歌山でおいしい米や酒ができていることを知ってほしい」、河嶋杜氏も「酒仕込み工程の一部を体験してもらうことで、米や酒に対する若い世代の理解が深まるはず。将来は他の酒蔵も巻き込んで、続けていければ」と夢を描いている。

 対象は今年3月末で19歳か20歳の人。参加無料で、完成時は720㍉㍑ビン1本プレゼント。6月10日締め切りだが、先着20人。申し込みは19祭の酒実行委(080・2443・7068)。

(ニュース和歌山/2023年5月20日更新)