落語家の月亭八方さんが、近畿2府4県を回るトークライブ「八方の楽屋ばなし」をスタート、7月1日㊏に和歌山公演を行う。1986年〜98年放映の人気番組『八方の楽屋ニュース』を舞台上で贈る。思いを聞いた。

楽屋のウラ側

若手時代のように隣の楽屋を盗み聞き(?)する八方さん

 

──どんなイベントですか?

 「落語の世界に飛び込んで55年。今まで、楽屋で見たり聞いたりした、芸人の『おかしな生態』を話すトークライブです。昭和時代がメーンなので、今は亡き大先輩や、スター芸人の若手時代のこぼれ話に期待してください」

──内容は?

 「出演者が持ち寄った芸人のエピソードを披露します。昭和の楽屋はコンプライアンスに対してゆるかったこともあり、今じゃ考えられないような破天荒な話や、『外で言うたらあかんで』と釘を刺されるような出来事がたくさんありました。この業界に入る前、1年半ほど会社勤めをしていた私には、楽屋で繰り広げられる話や行動のひとつひとつが新鮮で、まさにネタが湧き出る〝油田〟のよう。若手時代はそれに聞き耳を立てておもしろがっていました。そこで出た〝原油〟をそのまま話すと、少し刺激が強いため私が〝精製〟し、扱いやすい〝ガソリン〟にして、みなさんの耳にお届けします」

──出演者は気心の知れた人たちですね。

 「当時『楽屋ニュース』を一緒に司会したなるみと、(長男の月亭)八光が全公演に出るので、のびのびできます。和歌山には間寛平ちゃんと村上ショージくんが来ます。亡くなった岡八朗さんや花紀京さんら新喜劇の話をするかも。おなじみのギャグもしてくれるはずです」

 

近くて遠い場所

──和歌山の印象は?

 「40年ほど前、知人の演歌歌手が和歌山でスナックをやっていて、よくゲストとして呼ばれました。アロチで飲んで歌って楽しんで、和歌山ラーメンもよく食べました。あのころは、大阪の隣にある県なのにアクセスに時間がかかる上、『ざ行』が『だ行』になってしまうなど、独特の方言というか、なまりに驚きましたね。これらのことから、物理的、感覚的にすごく遠い場所のように感じていました」

──ファンに一言。

 「みなさん、きっとキラキラした芸能界のウラ側の話やうわさ話が好きだと思います。もちろん会場で話すトークは、どれも安心して聞けるものばかりですよ。でも、『ここだけの話』にしてくださいね」

八方の楽屋ばなし

 7月1日㊏午後1時半。県民文化会館小ホール。3500円。チケットはFANYチケット。詳しくは「八方の楽屋ばなし」。

(ニュース和歌山/2023年6月24日更新)