TNRアシスト 不妊手術サポート

 繁殖力が強く、ふん尿による悪臭など問題が後を絶たない野良猫。捕獲し不妊手術をすることで猫を減らそうと6月、猫の保護、譲渡活動をする奥康子さんや獣医師ら5人が和歌山TNRアシスト(森岡佳昭代表)を結成した。奥さんは「野良猫は車にひかれることもあり、猫にとっても不幸。むやみに生まれないよう、不妊手術を増やしたい」と考えている。

 TNRは、T=トラップ(わな)、N=ニューター(不妊手術)、R=リターン(返す)の頭文字。「野良猫を何とかしたい」と依頼があれば、捕獲した上、不妊手術を施し元の場所に返す。医療費は基本的に依頼者が支払い、6月だけで43匹を扱った。

 奥さんは2016年に猫の保護、譲渡を行う城下町にゃんこの会をスタート。これまで1200匹以上の居場所を見つけてきた。ただし、譲渡までの期間中、預かってくれる人や施設には限りがある。「根本から解決しないと」とTNRアシストを結成した。

 猫は3、4月が繁殖シーズンで、これから生まれる子猫が増えるため、気が休まらない。「数が少ないうちに手術できればかなり効果的。野良猫を見かけたらエサをやらず、まずは相談してほしい」と呼びかける。

 2019年に開院した、猫の不妊手術専門病院の和歌山スペイクリニックさくらねこ(和歌山市吹屋町)の村上聡院長(写真)も、TNRのメンバー。「猫は1回に平均4匹産み、多ければ年2回出産する。毎年となるととんでもない数になる」と、以前から城下町にゃんこの会と連携してきた。通常は2万~2万5000円ほどする手術費を、オス5000円、メス8000円に設定。野良猫を優先に手術を行っており、多ければ月に200匹以上処置したこともある。

 村上院長は「手術し、元の場所に返した後は、新しい猫が生まれていないか地域の人たちが目を光らせてほしい。人間がきちんと管理し、不幸な命をこれ以上増やさないようにしないと」と熱を込めている。

和歌山TNRアシスト

医療費(手術、ワクチン等)以外は無料。
問い合わせはhttps://qr.paps.jp/sL2Bz またはメール(wakayama.tnr.assist@gmail.com)。

(ニュース和歌山/2023年7月8日更新)