個人無差別 西出大毅選手に期待

 和歌山県内では県和歌山商と箕島にしかない高校相撲部。その両校が今年の全国大会でそれぞれ団体優勝を果たした。和商は2月に青森で開かれた選抜弘前大会、箕島は5月、石川での金沢大会、また、和商の西出大毅選手(2年)が3月、高知の新人選手権無差別級を制した。8月のインターハイは、団体戦に箕島、個人戦には箕島と和商の計5選手が出場する。

和商の西出選手(左)と花田選手

 全国で頂点に立った両校は6月初めのインターハイ県予選で対戦し、団体戦は箕島が4─1で和商を下し県代表となった。個人戦は、無差別級に西出選手、箕島の杉本智斗勢選手(2年)、藪ヶ﨑晃仁選手(2年)、100㌔未満級に和商の花田龍信選手(1年)、80㌔未満級に箕島の中本樹志選手(3年)が挑む。

 金沢大会で団体優勝した箕島は、校内の相撲場が本拠。部員16人が、2面ある土俵でぶつかり合う。野田典雅主将(3年)は「強くなりたいと、全員の意識が高く、基本をしっかり練習しています」ときっぱり。6月の近畿大会個人戦で西出選手を下して優勝し、「土俵際まで持って行かれましたが、残す事ができ、自分の形で寄り切れました」と自信を深めている。

気合いが入る箕島高校相撲部員

 副主将の前田哉選手(3年)は「個人的には肩周りの回転を意識し、前に突く相撲をとります。メンバーが揃っており、勝てるチーム」と分析、杉本選手は「立ち合いを鋭くし、突きの回転、威力を上げて自分の相撲をとりたい」と意気込む。

 志村大器監督は「四股やすり足など基本練習をここまでしている高校は少ない」と話し、2年連続で3位に終わったインターハイ制覇を目指す。

 一方、弘前大会を制した和商は、普段から県庁北隣の相撲場で汗を流す。インターハイには個人戦に2人が出場。180㌢、165㌔の堂々とした体の西出選手は、前に出て得意の突き押しで攻めるスタイル。弘前大会団体戦で大将を務め、決勝も押し出しで優勝、高知大会個人戦決勝では、突き出しを決めた。

 インターハイを前に西出選手は「腰が高くなりがちなので、低いまま押すようにしたい」と課題を挙げつつ、「2年生らしく、がむしゃらに勝ちにいきます」。出し投げが得意な花田選手は、中学時代に全国ベスト8の実績がある。「組み手を大事に前に出る相撲で、3位までに入りたい」と目標を定める。

 門林三千生監督は「西出は他校のマークが厳しいですが、立ち合いを磨きスピードをつければ、圧力はあるので期待できます。花田は下に入り相手に相撲を取らせない形を作れば、優勝もありえます」とみる。

 県相撲協会の矢須渉理事長は「インターハイは個人も団体も優勝をねらえる力があります。秋の世界選手権には西出くんが出場し、国体は和商2人、箕島5人の代表チームで行きます。日本一が現実味を帯びています」と期待を寄せている。

(ニュース和歌山/2023年7月15日更新)