和歌山市中心部で、1970年代にはアーケード街に約60の店が並んでいた北ぶらくり丁商店街。現在は26店に減ってしまったが、7月に作業や交流の場として活用できるコワーキングスペースが開店、来月は映画祭開催と、熱い話題が続いている。それぞれの仕掛け人に話を聞いた。

 

新コワーキングスペース「ソウネ」フリーランス交流拠点に

 杉本社長(右)とソウネコワーキングの杉谷将太店長(左)

 築約70年、2階建ての建物を改装した「ソウネコワーキング」が7月31日にオープンした。

 運営するウェブサイト・動画制作会社のソウネ(本社=神奈川)の杉本大貴社長は和歌山市出身。小さいころ、ぶらくり丁によく映画を見に来ており、にぎやかだったイメージがある。「仕事を通して、街を盛り上げる一助に」と出店を決めた。

 個室や交流スペース、仮眠室、最大6人で使える会議室を備えている。システムエンジニアや動画クリエーターの利用が目立ち、作業に役立つよう一眼レフカメラを貸し出し、今後は動画配信用のカメラやマイク、3Dプリンターを導入する。運営会社の強みから、IT機器やソフトのアドバイス、店舗のジャンルに適した予約システムの紹介など、各種相談に乗れるのもメリットだ。

 フリーランスで働く人が人脈を広げる手助けにと、情報交換を目的とするイベントを検討中。さらに、利用者に限らず地元商店との交流も深めており、「インスタグラムの使い方を知りたい」との要望から、インスタ講座を計画している。さらに、県外に向け、商店街情報を発信するため、北ぶらくり丁HPも制作した。

 杉本社長は「僕たちのような若い人間を受け入れ、応援してくれる地域の人と関わり、フリーランス同士の交流と、商店街が持つ昔ながらの人とのつながりが生まれる拠点にしたい」と願う。営業は午前10時~午後9時。日曜定休。詳細は同店HP

 

映画祭、空き家活用、朝活… 商店街〝ならでは〟を発信

本町公園で上映会も

 10年前に和歌山市加太で始まった「Kisssh Kissssssh映画祭」が10月7日㊏と8日㊐、北ぶらくり丁商店街と本町公園で開かれる。昨年は印南町で開かれ、北ぶらくり丁は2年ぶり。本町公園の野外スクリーンと、商店街3会場(北ぶらBASE、シネマ203、ソウネコワーキング)で13本を上映。

 同映画祭実行委代表で、紀州まちづくり舎の小川貴央さんは、「ぶらくり丁周辺でも、北ぶらは特にシャッターが閉まっている店が多く、暗いイメージがあった」と振り返り、ここを拠点に2019年からまちづくり活動としてイベントを開いてきた。

 まず、「若い人によく足を運んでもらえる街にしよう」と、空き家・空き店舗を活用し、起業や店舗運営を目指す人に試験的に貸し出す「まちドリ(次回10月14日㊏と15日㊐)」、朝活として午前7時から始まり、朝食やエクササイズを楽しめる「北ぶらはじめ食堂(次回10月3日㊋)」と、若者をねらった催しを仕掛けた。

 小川さんは「街中に残る昭和レトロな雰囲気と、若い子たちが入ることで生まれるポップさの相乗効果で、新しい店ができてきました。空き物件の問い合わせも増えてきています」と喜ぶ。次は観光客を呼び込めるよう、「市堀川の景観や街歩きを堪能できる観光ルートを提案し、商店街へ新しい人を呼び込み、この街でしか買えないものや、街ならではの体験を生み出し、実践していく」と熱を込めている。

(ニュース和歌山/2023年9月16日更新)