亀井一郎さん 『頭に関するオモシロ話  タメ話』

 角谷リハビリテーション病院脳疾患センター長の亀井一郎さんが『専門医が解説! 頭に関するオモシロ話 タメ話』を夢叶舎(むくしゃ)から出版した。

 貴志川リハビリテーション病院院長時代に連載したニュース和歌山『おしえて! マイドクター 健康Q&A』の原稿がベース。「頭痛」「めまい」「記憶」「認知症」「脳梗塞」「くも膜下出血」「パーキンソン病」「リハビリテーションとは」など17項目に分け、全59種類の事例をQ&A形式で解説している。

「脳の働きを知って」と話す亀井さん

 例えば、「周期的に襲ってくるひどい頭痛」には「片頭痛の可能性が高い」とし、特徴的な症状を挙げながら説明。また、「1歳8カ月の孫がよく転倒して頭を打ちます」には、「すぐ泣き出すうちは心配ないが、脳表の血管が破れて硬膜という脳を守る膜の内側に血腫をつくることがある」といった可能性にも言及している。一方、「めまい」の項では「フィギュアスケートの選手は高速回転しても目が回らない?」、「記憶」の項では「子供に勝てない神経衰弱」といった親しみやすいエッセイも加えた。

 あとがきで、『君らの先生は患者さんである』という先輩の言葉が生涯の指針になったことや、「医の謙虚」「自身へのプライドと他者へのリスペクト」という座右の銘を紹介している。

 「脳の話は難しいとよく言われますが、専門用語をできる限り使わず、分かりやすい言葉で書きました。この本を読んで、脳の仕組みと働きをたくさん知ってもらえればうれしい」と話している。

 A5判、107㌻。1980円。ツタヤウェイガーデンパーク店、宮脇書店ロイネット和歌山店等で販売中。

(ニュース和歌山/2023年12月2日更新)