中学生以上からエッセイ募集

 和歌山市は、今年没後40年となる同市出身の作家、有吉佐和子を顕彰すると共に、市民が文学について学べる機会となるよう、有吉佐和子文学賞を新設。自由テーマのエッセイ募集を始めた。市は「個人の名前を冠した文学賞は和歌山市初。文章を書く魅力に触れてほしい」と考えている。

隔月で有吉作品を読む会を主宰する恩田館長

 有吉は1931年生まれ。幼少期に東インド(現・インドネシア)で生活し、帰国後は和歌山高等女学校(現・桐蔭高)などを経て東京女子短大を卒業した。

 56年に『地唄』が芥川賞候補となり、59年に自らの家系をテーマにした『紀ノ川』、67年には『華岡青洲の妻』を発表。70年代には、認知症老人の介護を扱った『恍惚の人』や、公害問題に言及した『複合汚染』など社会派小説が評判を呼んだ。

 また、人類学者の畑中幸子が調査していた地を訪れた時の様子をエッセイ『女二人のニューギニア』にまとめるなど、歴史や古典芸能、ミステリーに、人間関係、社会矛盾など幅広い分野で、小説、エッセイ、ルポルタージュを発表してきた。

 2022年には有吉が過ごした東京の居宅を同市が伝法橋南ノ丁に移築、有吉佐和子記念館として、書斎や各種資料を公開している。

 募集に関し市は「小説だとハードルが高くなりますので、エッセイにしました」。審査にかかわる同館の恩田雅和館長は「有吉にこだわらなくても大丈夫。感じたことや考えていることを自分の生活に当てはめて書けば、良い作品になると思います」と呼びかける。

 対象は中学生以上。縦書き400字詰め原稿用紙2~5枚。3月15日までに〒640・8511和歌山市七番丁23、市文化振興課へ郵送か持参、メール(bunkashinko@city.wakayama.lg.jp)で応募する。1人1編のみ。最優秀賞などを選出し、入賞作は市HPで公表する。詳細は同課(073・435・1194)。

(ニュース和歌山/2024年1月20日更新)