29年春開業へ 優先交渉事業者決定

 2021年に閉館した旧和歌山市民会館の活用について、市は1月、不動産サービスのジョーンズラングラサール(JLL、東京)を代表企業とする、総合教育業KEGキャリア・アカデミー(同市友田町)との共同企業体を優先交渉事業者に選んだ。ホテルやDXセンター、インターナショナルスクール、レストランなどが入る複合施設とする計画で、和歌山市駅周辺のにぎわい創出が期待される。

和歌山の新しいシンボルを提案(JLL提供) ※計画段階のため、変更の可能性もある

 旧和歌山市民会館は1979年の開館以来、文化、芸術の拠点として活用されてきたが、2021年9月に閉館。市は跡地利用法を模索し、昨年5月に公募、12月に2者が活用法をプレゼンテーションしていた。

 KEGの角野寛典社長は「本気で和歌山のまちを活性化したいが、自分たちだけでできることは限られている」とし、足下を固める意味から「福岡や熊本で大型複合施設のプロデュース経験があるJLLに声をかけた」と振り返る。

 計画では、会議室やレストランが入っていた棟を耐震補強し、インターナショナルスクール(幼稚園)やDXセンター、レストランを設置。また、大ホール、小ホールだった棟は取り壊し、ホテルとサウナ、宿泊業に特化した高等専門学校が入るビルを建設する。

 角野社長は「旧市民会館は市民にとって長年文化の中心だった。教育の場にし、その歴史を引き継ぐべき」と熱を込める。「幼稚園は、早期教育でしっかりとコミュニケーションがとれる英語力を主眼に、DXセンターはデジタル化の進展に合わせ、地元企業支援を第一に考える」と説明。高等専門学校については「特に外資系の高級ホテルで働く際に役立つ資格を取得できる意義は大きい」と強調する。

 加えて、旧市民会館のすぐ北を流れる市堀川の活用を前提に、県と市による親水性護岸の整備を見越して、サーフィンや自転車の専門店、レストランを誘致。さらに、屋外ライブが可能な広場やステージを整備する。角野社長は「和歌山にあまり関心のない人に足を運んでもらえる催しや若者向けの音楽イベントを打ち出し、人を呼び込みたい」と意気込む。

 事業テーマは「KNOT(ノット)  Wakayama」。「KNOT」は「結び目」の意味で、「人が集まる心地よい場所」「そこに住む人も楽しめる施設づくり」を目指し、29年春の開業を予定している。

 まちづくりに詳しい和歌山大学の足立基浩副学長は「継続性を考えると、市民の利用が不可欠。有識者や市民を巻き込み、需要予測や採算性について議論されることを期待します」と話している。

(ニュース和歌山/2024年2月3日更新)