中米のグアテマラに伝わる民族衣装ウィピルから着想した絵本『みずうみ色のウィピル』を、海南市の絵本作家でイラストレーターのすけのあずささんが、BL出版社から発行した。「時代を超え、親から子、孫へと伝わってきた機織りの技術や模様に込められた神様にまつわる伝承。『つないでいく』ことの大切さと尊さを感じてほしい」と思いを込めている。

現地で購入したウィピルを着るすけのさん

 主人公は湖のほとりに暮らす女の子ラサ。母親から機織り技術を教わり、ウィピルを織れるようになった。それを市場で売ろうとするが、話すのが苦手でうまくいかない。ある日、湖で洗濯をしていると、魚が話しかけてきた。仲良くなるが、たまたま様子を見ていた母親が、魚を魔物と勘違いして──。

 2011年から2年間、すけのさんが世界一周旅行中に現地を訪れた時、赤や緑のウィピルが多い中、ある湖のほとりの村だけ青が好んで着られていた。その美しさに魅了され、「いつか青いウィピルをテーマにした絵本を作ろうと、6年前から構想をあたためていました」と明かす。

 27×21㌢、32㌻。1760円。ツタヤウェイガーデンパーク店、宮脇書店ロイネット和歌山店ほかで販売。また、5月2日㊍~12日㊐まで、海南市船尾のオールドファクトリーブックスで原画展を開く。午前10時~午後5時。5日㊐、7日㊋、8日㊌休み。会期中、現地で購入した青いウィピルも展示する。

(ニュース和歌山/2024年4月27日更新)