Sカレ テーマ プラン 学生賞 3冠達成

 大学生が商品企画力を競うスチューデント・イノベーション・カレッジ(Sカレ)で昨年12月、和歌山大学経済学部のチームRe:NK(リンク)の「おもちゃぱっくん」が、テーマ、プラン、学生賞の3冠を達成した。子どもが楽しみながら片付けられるおもちゃ箱で、リーダーの岩崎萌音さんは「自分で顔を描いたり、色を付けたりできるので、世界に一つだけのものが作れる」と顔をほころばせている。

左から久保さん、堀さん、岩崎さん。おもちゃぱっくんの口におもちゃを入れると、腕がぴょんとはね上がる

Sカレには、30大学から37ゼミの3年生159チームが参加。パッケージ会社や写真スタジオなど12企業から「社会課題を解決する印刷製品」「らしさを残せる撮影機会創出」などのテーマが出された。リンクは梱包資材デザイン・販売会社の「段ボール・クリアシート」を選択。子どもや親を対象とした商品開発にねらいを定めた。  

 5月から保護者を対象に「育児での困りごと」の聞き取りを開始、300人近くから回答を得た。整理整とんについての悩みが多かったことから、子どもが自分から片付けたくなる「おもちゃぱっくん」を開発した。

 段ボール製で、口からおもちゃを入れるとししおどしのように腕が動き、クリアシート越しに、おもちゃが中にたまって行く様子が見られる。また、片付ける度にシールを貼って、達成感を味わえる「ぴっかりんカード」も添えた。

 4家庭で1カ月使ってもらったところ、「遊びながら、スムーズに片付けた」「こちらから言う前に、進んで始めた」と好評。さらに、イベントで100人以上が試しても目立った破損はなかったため、1日1回3カ月の使用に耐えられると判断した。

 メンバーの堀栞汰さんは「10分ほどで組み立てられ、好きなように絵を描ける。親子で一緒に作ると、より愛着がわくはず」、久保有花さんは「しっかり腕が動くようにするため、ミリ単位で何度も調整を重ね、ひと月かけてようやく完成しました」と振り返る。

 ゼミの柳到亨教授は「おもちゃが散らかっていることが親のストレス。その解消のため、おもちゃ箱を擬人化し、楽しみの要素を盛り込んだ解決策が良かった」と絶賛する。

 春ごろには商品化される予定で、今後は年末の総合優勝戦1位獲得に向け、販売と広報に力を入れる。岩崎さんは「昨年Sカレに挑戦したゼミの先輩たちが3冠を達成し、総合優勝も果たしている。それに並べるよう、企業やユーザーにしっかりアピールし、将来、おもちゃぱっくんが当たり前に店頭に並んでいる姿を目指します」と意気込んでいる。

(ニュース和歌山/2025年2月1日更新)