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 中高生を対象としたビブリオバトル和歌山大会が12月13日、和歌山市西高松の県立図書館で開かれた。

 ビブリオバトルは、発表者(バトラー)がお気に入りの本を制限時間5分で語り、観客(オーディエンス)が読みたくなった本に投票し、〝チャンプ本〟を選ぶ。読書振興につながるため、近年、全国各地で大会が広がり、東京で毎年、全国大会も行われている。

 和歌山では一昨年に初めて一般や学生など参加者を募り実施されたが、今回は県教委が主催で、中高生を対象にした初の全県大会となった。和歌山市、岩出市、橋本市、田辺市、有田川町の県内5図書館と、これらの図書館以外のエリアとなる紀北、紀南地区の予選を勝ち抜いた中学生5人、高校生7人が出場した。

 中学生は『告白』(湊かなえ)や『カラフル』(森絵都)など小説の推薦が多くをしめた。高校生は、『舟を編む』(三浦しをん)のほか、『南方民俗学』(南方熊楠)、『ウケる技術』(水野敬也ほか)など様々なジャンルの本が登場。各バトラーは最初は緊張気味だったものの、お気に入りの本の核心に至ると言葉に熱を帯びさせた。会場からも「その著者の他の本は読んだか」「読んであなたの何が変わりましたか」など熱心な質問が飛び、冗談を交えて答え、会場を沸かせるバトラーもいた。

 投票は、オーディエンスが目を閉じ挙手で決定。中学生の部は、橋本市立紀見東中学校1年の川原愛華さんが紹介した『のうだま やる気の秘密』(上大岡トメ、池谷裕二)、高校生の部は耐久高校2年の白水紀香さんが推した『夢幻花』(東野圭吾)がチャンプ本に選ばれた。1月に東京都で開かれる全国大会へ出場することになった白水さんは「『夢幻花』は自分にとって大事な時期に読んだ本です。今日のみなさんの様々な発表の仕方を見習い、全国大会では和歌山代表として恥ずかしくない発表をしたいです」と抱負を語った。

 県立図書館の立野淑郎館長は「多くの方が聞きに来てくれて良かった。いずれ30市町村で予選を行ったうえでの全県大会を開くのが夢。第一歩としていいスタートが切れました」と喜んでいた。

 写真=全出場者。前列右から3番目は高校生の部チャンプ本の白水さん、その左は中学生の部チャンプ本の川原さん
(ニュース和歌山2015年12月19日号掲載)