干潟越しに紀三井寺仰ぐ

 和歌山市和歌浦の水上楼閣「観海閣」の復元工事が完了し、3月28日㊏から一般公開されている。

 観海閣は1648年から51年の慶安年間、初代藩主徳川頼宣が和歌の浦の風景を眺め、紀三井寺を仰ぐ施設として、和歌浦に浮かぶ妹背山の東端に建てた。江戸時代に作られた地誌書『紀伊国名所図会』にも紹介されており、名草山や紀三井寺、布引の砂州、三葛の塩田といった景観とともに、西国巡礼の人や庶民がくつろぐ様子が描かれている。

       『和歌浦の風景』より

 今回復元された観海閣は当時と同じく、けやきを用いた木造地上1階建。2020年から県が約4億円をかけ、整備にとりかかっていた。

 和歌山市立博物館元館長の額田雅裕さんは「観海閣は本来、木造建造物でしたが、第二室戸台風で倒壊後はコンクリート造で再建されました。この度、木造で建設され、和歌浦の景観にふさわしくなったと感じます。今後は周辺の整備を行い、名勝和歌の浦の保存活用を進めていってほしい」と話している。

(ニュース和歌山/2026年5月16日更新)