大きな災害が起こった後、地域の人たちの避難所になるのが身近にある学校です。その学校には緊急時への様々な備えがあります。和歌山市総合防災課の坂田拓彌さんと浜宮小学校(和歌山市内原)を訪れ、どんなものがあるのか、教えてもらいました。

運動場に井戸

 運動場の隅、校舎の近くに、フェンスに囲まれたせまい場所があります。「これは防災用井戸(写真上)ですね」

 災害が起こると、電気や水道が使えなくなる可能性があります。この井戸は電気がなくても、手でレバーを上げたり、下ろしたりすると、地面の中にある井戸から水をくみ上げられます。飲み水ではなく、主にトイレの水を流すのに使います。

 井戸の近くには「災害用トイレ」と書かれたマンホールが並んでいます。この上に便器を置いてテントで囲い、緊急用のトイレにします。

写真=緊急時はマンホールを開けて、トイレを置く

 

プールの水を利用

 次にプールへ。倉庫の中に入ると、機械が置かれていました。水をきれいにする緊急時用浄水装置(写真)です。

 プールには、みんなが泳ぐ夏以外も水がためられています。「この装置を使うと、洗濯したり、体を洗ったりできる水を作れるんですよ」

 最後は、校舎の中にある備蓄倉庫へ。浜宮小学校には、500㍉リットル入りの水が5472本、ビスケットのような食べ物で長い期間保存できる乾パンが3432缶、水やお湯をそそぐとごはんになるアルファ化米が200食準備されています。

 井戸や災害用トイレ、浄水装置は全ての学校にある訳ではありません。9月1日は「防災の日」。みんなの通う学校にどんな備えがあるか、確認しておきましょう。

 

和歌山市総合防災課、坂田拓彌さん

 最近、大きな災害が毎年、日本のどこかで起こっていて、私たちもいつ被害に遭うか分かりません。和歌山市内の避難所に災害時への備蓄をしていますので、いつでも逃げられるように避難の方法を、また、まずは自分の身を守るため、家でも食料など災害への備えについて家族で話し合ってください。

(ニュース和歌山/2019年8月31日更新)