夏の東京オリンピックを前に、聖火リレー(※)が3〜7月、全国47都道府県で行われます。聖火を持って走るランナーに応募し、選ばれた一人が上岩出小学校6年の渡辺敦紀(あつき)くん(12)。申し込んだきっかけは、おじいちゃんでした。

写真=1964年の写真を見ながら話す二人

 

56年前の写真

 渡辺くんは5歳で和歌山陸上クラブに入りました。去年は8月に開かれた全国小学生陸上競技交
流大会のコンバインドA(走り高跳びとハードルで競う種目)に出場し、10月の和歌浦ベイマラソ
ン小学4〜6年の部で優勝するなど活躍しています。2月16日㊐に開かれる和歌山県市町村対抗ジュニア駅伝も岩出市代表として走ります。

 数年前、祖父の宇田德(いさお)さん(74)から、1964年に東京オリンピックが開かれた時、聖火リレーのランナーをしたと聞き、聖火を持って走る写真を見せてもらいました。宇田さんは「橋本市高野口町を走りました。道沿いには日の丸を持ったたくさんの人。電信柱や屋根に上がって見る人もいましたよ」と振り返ります。

写真=1964年、多くの人の前で聖火をつなぐ宇田さん

夢は五輪出場

 懐かしい思い出話を聞いた渡辺くんは「おじいちゃんがかっこよく、自分もこんな雰囲気の中で走りたいと思いました」。去年の夏、聖火ランナーに申し込み、その一人に選ばれました。

 和歌山県内の聖火リレーは4月⓾日㊎と11日㊏に行われます。「全国大会などいろんな大会に出
られるのもたくさんの人に支えてもらっているから。周りのみんなへの感謝を走りで表したい」。そう話す渡辺くんの夢は陸上競技でオリンピックに出ることです。

写真=練習に汗を流す渡辺くん

(※)聖火リレー…太陽の光を鏡で集めてつけた火を、ギリシャからオリンピックが開かれる場所まで運ぶ行事

(ニュース和歌山/2020年2月15日更新)