「外来種」って知っていますか? 元々、その地域にいなかったけれど、人間が持ってきたり、荷物にまぎれ込んで移動したりして、新たな場所にすみ着いた生き物のことです。この外来種が増えるとどうなるのでしょうか?

 

和歌山県内に615種類

 まず、和歌山県に外来種はどれぐらいいるのか、和歌山県庁自然環境室で聞きました。明治時代より後に和歌山県に持ち込まれた、または確認された生き物をまとめた『和歌山県の外来種リスト』が昨年、完成しました。この本には、615種類が載っています。

 みんなも聞いたことのある生き物では、アメリカザリガニ、ブラックバス、植木鉢の下にいるオカダンゴムシなどもそうです。植物では、紫色の花を付け、最近、紀の川の土手でどんどん増えているナヨクサフジ、高速道路沿いで黄色い花を咲かせるオオキンケイギクも外来種です。

 

どんな影響が?

 外来種が増えるとどんな困ったことが起こるんでしょうか。まずは昔から地域にいる生き物への影響です。田辺市で見つかったアフリカツメガエル(写真Ⓐ)は水中の昆虫などを食べてしまいます。

 2つ目は人への影響です。家の周りにもいるセアカゴケグモ、また、和歌山県では見つかっていませんが、3年前に神戸市などで確認されたヒアリは毒を持っています。

 最後は農業などへの影響です。紀の川周辺の山奥ではなく、人が住んでいる場所の近くで増えているアライグマは農作物を食い荒らします。最近、問題になっているのはクビアカツヤカミキリ(写真Ⓑ)。モモやウメなどバラ科の木を食べて枯らしてしまうため、果物の栽培が盛んな和歌山は注意が必要です。

 

飼うなら責任持って最後まで

 和歌山県庁自然環境室の向野幹生さんと吉田久視子さん…例えば外国の生き物をペットにしていて、飼えなくなったけれど、かわいそうだからと自然に放すと、昔からいる生き物が食べられて、いなくなってしまう可能性もあります。自然の中で増えてしまうと、全て取り除くのは非常に難しく大変です。飼う場合は責任を持って最後まで面倒をみましょう。

※この記事の生き物の写真は『和歌山県の外来種リスト』から使わせてもらいました。

(ニュース和歌山/2020年6月6日更新)